中野神右衛門の生涯をたどるパネルを解説する大塚さん=佐賀市の山口亮一旧宅

 佐賀美術協会(美協)初代会長で、佐賀の近代絵画をリードした山口亮一(1880~1967年)と、「葉隠」との関係に迫る企画展が、佐賀市の山口亮一旧宅で開かれている。「葉隠」を口述した山本常朝の祖父が亮一の先祖に当たり、企画したフォトジャーナリストの大塚清吾さん(72)=佐賀市=は「画業に向き合う亮一の厳しい姿勢は葉隠に通じる」と話している。入場無料。6月9日まで。

 山本常朝の祖父・中野神右衛門(じんえもん)は20歳で初陣を迎えるが、やりや刀による傷を18カ所負い、鉄砲玉も体に打ち込まれた状態で逃げ延びる。

 さらに、30歳の時には龍造寺軍が大敗した島原・沖田畷(なわて)の戦いに、鍋島直茂の家臣として参戦。敗走の途中、自決しようとする直茂を思いとどまらせ、わずか7人で無事に脱出させたという。

 企画展は神右衛門の生涯にスポットを当て、江戸時代の「葉隠」写本や、ゆかりの地を撮影したパネルなど約40点を展示している。

 このうち、山口が大切にし続けた本「葉隠精神と教育」(1938年刊)は、表紙に山口自身のサインが残されている。大塚さんは「教育者でもあった亮一の、一族としての誇りのようにも見える」と指摘した上で「神右衛門の存在がなければ『葉隠』は生まれていなかったと思う」と解説する。

 6月2日午後1時半からは、大塚さんと、鍋島報效会役員の大園隆二郎さんによる対談を行う。事前の申し込みが必要。問い合わせは山口亮一旧宅、電話0952(60)2978。

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