Q 小さな会社を経営しています。人手不足で困っていたところ、インターネット上に求人広告を出しませんかという電話がかかってきて、渡りに船だと思い契約しました。ところがその後、知り合いの同業者が会社を閉めることになり,経験のあるスタッフが何人か当社に移ってくることになったので、求人広告は不要となりました。キャンセルを申し入れたところ,「既に契約は成立している。」として、代金を請求されました。電話勧誘の場合はクーリングオフができるのではないのでしょうか?

 A ご質問のケースでは原則としてクーリングオフはできません。

 クーリングオフとは、一定の契約について、消費者に頭を冷やして考え直す期間を与え、その一定の期間内であれば一方的に契約を解除することを認める制度です。しかし、これは一般消費者と業者の間の交渉力の差などを考慮して認められているものですので、設例のような事業者同士が事業に関連して行う取引には原則として適用されないのです。

 ご質問のケースは,勧誘時の説明や契約書類がきちんとしていて、納得ずくで契約したのであれば、後のことは基本的には質問者さんの都合に過ぎないように思われますが、最近、インターネットの求人広告などの分野で、業者間取引に消費者契約法などの保護が及ばないことを逆手に取った勧誘により思わぬ請求を受けたとする小規模事業主の方からの相談が全国的に増えています。

 事業主の方には、まずはご自身が一般消費者ではないことを念頭に置いて、契約をする前に契約書や約款の内容をきちんと確認するよう心がけていただきたいと思います。

 トラブルに巻き込まれた場合には、お近くの弁護士に相談されるか、中小企業向けの相談窓口として「ひまわりほっとダイヤル」(全国共通電話番号0570-001-240)がありますので、そちらをご利用ください。(佐賀市 弁護士 吉村真一)

このエントリーをはてなブックマークに追加