来月になると、そろそろ七夕飾りの準備が始まる。「短冊に一番の願いごとを書いておいで」。小学校で先生が子どもたちに“宿題”を出した。ある男の子が書いた願いは「お父さんが生き返りますように」◆幼い頃、父親を交通事故で亡くした子だった。しかしそれは、先生だけが知っている秘密。本当に飾っていいの、と確かめると「だって、先生が一番の願いごとを書きなさいって言ったでしょ」。男の子は短冊をササの葉の一番高いところに飾って、とねだった。「そしたらきっと、願いがかなうから」◆「先生がかなえてあげる」。福岡の元教師香葉村(かばむら)真由美さんが「いのちの授業」を始めたきっかけという。自分に命をくれた人はお父さんとお母さん。お父さんとお母さんに命をくれた人は…。子どもたちは、果てしない命のつながりに思いをはせ、どの一つが欠けても自分は存在しえなかった「奇跡」に気付く。自分に与えられた命は、亡くなった大切な人の命でもあるのだと◆香葉村さんは6月1日午後1時半から、佐賀市のメートプラザ佐賀で講演する。虐待や自殺など子どもたちを巡る悲しい出来事が続く今、「人が愛されて生きる尊さを見つめ直して」と主催の「佐賀いのちを大切にする会」(電話090・1166・7903)◆命を未来につなぐ、社会の責任を考えたい。(桑)

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