出身地や応援したい自治体に寄付する「ふるさと納税」で、三養基郡みやき町、静岡県小山町、大阪府泉佐野市、和歌山県高野町の計4市町が、6月に始まる新制度から除外されることになった。

 過度な返礼など、制度本来の趣旨に反した市町側に非はあるものの、国の関与を少なくし、地方の自立を促すという、これまで進めてきた地方分権の在り方を考えると、「見せしめ」のようにも映る今回の措置には疑問が残る。ルール重視は当然大事だが、再スタートにあたっては、制度がなぜおかしくなったのかを検証し、地方の意欲をそがない制度に変えていくことの方がより大切だ。

 ふるさと納税は2008年に始まったが、返礼品競争への偏向が制度をおかしくしてしまった。地場産品の高額化はまだしも、高額家電やギフト券を返礼品にしたのは、さすがに行き過ぎだった。再三の要請にもかかわらず、総務省の指示に従わなかった4市町が新制度から除外されたことについて、「仕方がない」という見方は多いだろう。

 それでも、地方の創意工夫により、地方の自立と地域経済の活性化を促す地方創生の観点から考えると、今回の措置は「大人げない」と思える。国と地方は対等といいながら、主従関係を保持しておきたいという国の意向が見え隠れする、といえば言い過ぎだろうか。

 本来、あまりあてにしてはいけない「寄付」が想像以上に入ったことで、市町の担当部署にとっては「寄付獲得」が至上命題になった。ポータルサイトなど民間業者の仲介による競争の過熱に加え、返礼品業者との兼ね合いもあって見直しが遅れたというのが実情だろう。返礼品競争はよくないことだが、知恵と工夫次第で、地方でもお金を集めることができるという証明にはなった。

 気になるのは、改正後の「ふるさと納税」の行方だ。返礼の割合が減り、返礼品の魅力が薄れることで、寄付は減ってしまうのだろうか。それでは、あまりにも寂しい。

 返礼品の工夫も大事だが、「こういう施策をぜひ実行したいから寄付をお願いしたい」という、政策重視の制度に変えていくべきだ。近年、活用が広がっている「クラウドファンディング」は、事業主体者のアイデア、思いに共感した人が“投資”し、気持ちのこもったお礼を受け取るという、ふるさと納税の見本となる形だ。

 少子高齢化をはじめ、地方が抱える課題は山積している。その解決策を地方自ら立案し、国がそのアイデアを審査。優秀な政策にはふるさと納税の返礼割合を高く認めて寄付を集めやすくし、「おもてなしツアー」への招待などソフト重視の返礼も認めれば、返礼品競争ではなく、アイデア競争が先行し、真の地方創生につながるのではないだろうか。貯蓄は決して悪いことではないが、寄付や投資で地域社会に資金を流通させる方が活性化にはつながる。

 ゆかりのある自治体を思わず応援したくなるような「ふるさと納税」に育てていきたい。その一つとして、4市町を新制度から除外する期間を短くし、全国知事会や市長会、全国町村会などで、ふるさと納税の改善策をあらためて論議してほしい。(中島義彦)

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