県ヨット連盟が指定管理者として管理する県ヨットハーバー=唐津市二タ子

 国体で毎年上位入賞を果たし、五輪メダリストまで輩出した佐賀県の“お家芸”ヨット界で浮上した補助金不正受給。2023年に佐賀県で開催される国民スポーツ大会(国スポ)に向け、県が競技力強化に力を入れる矢先の不祥事に、関係者に戸惑いが広がった。

 県によると、県ヨット連盟と県体育協会(現・県スポーツ協会)の関係者8人からの聞き取りの中で、不正の実態を知る人物として前理事長の松山和興氏(77)と前事務局長であるアトランタ五輪銀メダリスト重由美子氏(故人)の名前が挙がったという。

 ただ県の聞き取りに対し、松山氏は「分からない」などと答え、不正の背景や使途は解明できていない。県は「われわれの調査には限界がある」とし、警察と連携して対応する考えを示した。

 この二人は長年、競技の発展に尽力してきた。関係者によると、競技ヨットだけでなく大会運営に必要なボートも数十艇抱え、それらの船検代や燃料代などもかさみ、経理を担っていた重氏は生前、やりくりに苦心していたという。この関係者は二人について「『選手のため、ヨットのため』が口癖。私利私欲じゃないと思う」と訴えた。

 昨年10月に就任した原田髙歩理事長は「知らなかったとはいえ、現体制にも責任はある。真摯(しんし)に反省し、高校生の部活や一般の利用者に影響が出ないようにしたい」と神妙な表情で語った。

 県は、今回の不正を受けてスポーツ協会に加盟する41団体の昨年度の経理に問題がなかったか調査するとした。

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