オスプレイ配備計画の受け入れ表明の経緯をパネルで佐賀県有明海漁協関係者に説明する山口祥義知事(中央)=佐賀市の県有明海漁協本所(撮影・山口源貴)

 佐賀空港への自衛隊輸送機オスプレイ配備計画に関し、佐賀県の山口祥義知事は24日、県有明海漁協(佐賀市)を訪れ、漁協との間で結んでいる空港の自衛隊共用を否定した協定の変更に向けた協議を開始した。昨年8月に要請受け入れの判断に至った経緯や考えを漁協幹部らに説明し、理解を求めた。漁協の徳永重昭組合長は「即答できない」と述べ、検討していく考えを示した。漁業内部には反対の声が多く、協議の行方は見通せない。

 空港建設時、県が漁協と結んだ公害防止協定の覚書付属資料には「県は空港を自衛隊と共用する考えを持っていない」と記されており、配備する場合はこの文言の変更が欠かせない。

 協定に関し、山口知事は「30年ほど前に約束した大変に重いもの」としながらも、国民の生命と財産を守る国防には協力すべきという立場を強調、「約束はあるが、(配備要請に)しっかり対応しなければならない」との認識を示した。

 防衛省が県に20年間で計100億円の着陸料を支払い、漁業振興基金を設けるといった国との合意事項についても説明した。防衛省が所管の異なる漁業者向けの基金をつくるための理屈として着陸料を設定したとし、「最初から有明海振興に使うための基金だ」と意図を伝えた。

 山口知事は冒頭から「有明海漁業は私たちの誇り。次の世代に引き継いでいくことが大切」と何度も繰り返した。最後も「県は漁協のパートナー。一緒に有明海を再生し、防衛省には必要な対策や補償をさせる」と結び、漁業者に寄り添う姿勢を強調した。

 漁協幹部との質疑応答は非公開で、10分ほどで終わった。現在、調査が進められている空港周辺のコノシロ(コハダ)漁への騒音による影響を懸念する声や、防衛省からも考えを聞いてみたいという意見も出たという。

 県は交渉に期限を設けていないが、ノリ漁期前の夏を目標に協議を進めたい考え。漁協は、まず全15支所の運営委員長でつくる幹部会合で話し合うが、検討の進め方は未定という。

 防衛省は、佐賀空港配備が実現するまで千葉県木更津市の陸自木更津駐屯地への暫定配備を目指す。有明海漁協との交渉に関し、岩屋毅防衛相は24日の会見で「佐賀県をバックアップし、暫定配備の期間が短くなるよう最大限努力する」と話した。

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