オスプレイ配備受け入れの経緯について県有明海漁協の関係者らに説明する山口祥義知事(中央)=佐賀市の漁協本所

 昨年8月の自衛隊オスプレイ配備計画の受け入れ表明から9カ月。受諾の経緯を山口祥義知事が24日、佐賀県有明海漁協の代表者らに自ら説明し「県は漁協のパートナー。国と合意した100億円の基金で有明海の漁業を振興したい」と熱弁を振るった。対する漁業者側は会合後、淡々と受け止める声が目立った。「今日はあくまで知事の話を聞いただけ。生活の場である有明海を守りたい思いは変わらない」。双方の考えには大きな隔たりがある。

 15支所の支所長や運営委員長らが顔をそろえた佐賀市の漁協本所の大会議室。知事は説明を始める前、着席した一人一人に頭を下げて回り、メモを持たずに話し始めた。「国防も有明海の漁業も大事で、両者を扱うのはつらい」と述べた上で「国防に対応するため、約束の変更をしてほしい」。自衛隊との空港共用を禁止する公害防止協定の見直しを要請した。

 発言は30分に及び、合意内容のメリットはパネルを使って説明した。「オスプレイは有明海や県上空では過酷な訓練は行わない。100億円は有明海漁業振興のための基金」と述べた。

 非公開だった漁業者との質疑は10分ほどで終わった。会見した県有明海漁協の徳永重昭組合長は「公害防止協定の見直しは、そう簡単に返答できる問題でない」と慎重な姿勢を見せた。漁協内での議論の日程についても明言を避けたが、検討していく姿勢は見せた。

 もともと漁協内では反対意見が強く、説明を受けること自体に消極的だった。それだけに、説明会にこぎつけた県の幹部は「漁協にボールを渡すことはできた」と一定の成果を口にした。

 ただ、協議の行方は不透明だ。駐屯地予定地の地権者が多く所属する南川副支所の田中浩人運営委員長は「今日は知事の説明があったというだけ。納得はしない。公害防止協定を守ってほしい。それだけ」と話し、足早に会場を後にした。

 コノシロ(コハダ)漁への影響の再調査を見守る大浦支所の弥永達郎運営委員長は「知事の思いは受け止めるが、漁業ができる環境を残したいという思いは変わらない。話を聞いたから判断するという状況にはならない」と強調した。

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