群ようこさんの小説「また明日」。いよいよ24日が最終回である。等身大の語り口が軽やかで、ヤヨイ、タカユキといった面々が大人に成長していく過程で思い悩む様子が手に取るように伝わってきた。翌日の紙面を楽しみにしている読者も多かったのではないか◆1回分1千字前後の文字と、それぞれ挿絵を付けて毎日掲載していく形式の新聞小説。世界でも日本ほど盛んになった国はないそうだ。全国の新聞社が競って連載を掲載し、坪内逍遙、尾崎紅葉、幸田露伴ら明治期に花開いた作家は新聞を出発点として名声を得ていった◆今年創刊135年を迎える佐賀新聞も、創刊の翌年1885(明治18)年4月から「花鳥余情」という絵入り小説の連載を始めた。当時の新聞を調べてみると〈この物語は原題を西班牙(すぺいん)の書生といい欧州にその名高き情史なり〉という出だしで始まる◆群さんの連載は、「昭和」の高度成長期を生きた主人公らと世代が重なって親近感があった。ブルーチップ集めも懐かしく、力士の「若秩父(わかちちぶ)」の名前が出てきた時には急に幼い記憶がよみがえった。タイトルには、何かあっても明日があるさという前向きな気持ちが込められていた◆「平成」も終わり、「令和」が幕を開けた。「昭和」は確実に遠くなりつつある。群さん、楽しい小説をありがとう。また明日。(丸)

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