仏教と現代社会をテーマに対談する釈徹宗さん(左)と藤田一照さん=伊万里市大坪町の西念寺

 伊万里市大坪町の西念寺(井手恵住職)で18日、宗教学者で僧侶の釈徹宗さんの講演があった。「お寺へ行こうよ」と題して現代社会における仏教の役割について話し、約150人が耳を傾けた。

 釈さんは「地域コミュニティーとは別の共同体を複数持つことが現代社会を生きる鍵になり、寺は重要な拠点になる」と指摘した。寺には、日々更新される「情報」とは別の、その土地で語り継がれてきた「物語」があり、地域の文化拠点としても活用してほしいと呼び掛けた。仏教の説教と落語など話芸との密接なつながりについても、笑いを交えて紹介した。

 米国で禅を指導してきた僧侶の藤田一照さんとの対談では、「成熟した社会では常に自己決定や自己表明を求められるが、自己を強く持つほど苦しみは深くなる。そういう社会システムからいったん外れて身を置く場として、仏教や寺は必要になる」と話した。

 講演会は、親鸞聖人の誕生日(5月21日)を祝う降誕会(ごうたんえ)に合わせて開かれた。

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