NEW黒髪へんろ道を熱く語る吉島幹夫氏

 これまで『陶工李参平公の生涯 日本磁器発祥』『小説やまものがたり 九重恋歌』などの小説を世に出した黒髪酒呑童こと吉島幹夫さん(66)=有田町=が、長年黒髪山にこだわった「NEW黒髪へんろ道」の企画を発表した。

 若い頃から登山を趣味に近辺の黒髪山はもとより九重の山々を巡り続けている。1915(大正4)年、有田焼300年を記念して、蔵さらえ市があり、有田陶器市の始まりとされている。黒髪山西光密寺に西九州各地から集まった二千余人の修行僧たちが、八十八夜の護摩焚(た)き法要を終えて山を下り、この陶器市に流れたという逸話が語られている。

 この催事を育てたのは、白装束のお遍路さんたちだった。昭和の初め、黒髪山が佐賀県第1号の県立自然公園に指定されると、住吉村(武雄市山内町)に現在の乳待坊公園が整備され、黒髪山88カ所巡りが企画された。

 しかし先の大戦を機に世の中から忘れ去られてきた。吉島さんはご自身の山好きと現在の中高年の健康登山ブームを生かして黒髪連山の豊かな自然景観と、この地方の歴史物語や日本磁器発祥の歴史と相まって、人文景観を織り込んだ「NEW黒髪へんろ道」の設立に取り組んでいる。

 この巡礼では武雄市、伊万里市、有田町と歴史的なつながりを一巡して学べる。腰岳から産出された黒曜石の文化は、遠いご先祖様たちの息吹を感じることができる。吉島さんは今後ルート・札所の決定を目指し、運営体制の創設まで視野に入れている。来春の運用開始を期待したい。

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