ネット句会の画面。4月27日に開いた「ライブ川柳句会」は、箱の上に置かれたリモコンからイメージした作品を募集した

インターネット上で句会を開いている森山文切さん(左)と真島久美子さん=神埼郡吉野ヶ里町

 インターネットやSNSを駆使してライブ配信する川柳句会が、新たなファン層の開拓につながりつつある。「卑弥呼の里川柳会」代表の真島久美子さん(佐賀県神埼郡吉野ヶ里町)らが毎月開いており、国内外からスマホ一つで参加できる手軽さと、その場で選考過程を楽しめるライブ感が受けているようだ。

 真島さんは、佐賀番傘川柳会副会長を務めた父の清弘さん(故人)らとともに「川柳一家」として知られる。川柳人口の増加を目指して、誌上大会や女流大会を開いてきた。ネット句会は、川柳塔社同人の森山文切(ぶんせつ)さん(39)=沖縄県=が3年前に立ち上げ、真島さんは昨秋から選者を務めている。

 ネット句会は、毎月1回のペースで「ライブ川柳句会」と銘打ち、入選作の発表や選者の総評を音声で配信。さらに、毎週日曜から土曜まで1人2句まで作品を受け付け、サイト上で入選作を発表している。

 4月27日夜のライブ句会は真島さんと森山さんが共選した。その場で提示した写真や図から受けた印象で句を作る「席題・印象吟」で、午後7時から作品を募った。示した写真は、桜の花びらをあしらった箱の上に置かれたテレビのリモコン。同8時半の締め切りまでに、32人から計63句が寄せられた。

 2人が秀句を選び、天の句(一席)など各賞をスピーディーに決めていく。この日の天の句は、真島さんが「まっくらな坂道さくらだけが嘘」(未補)、森山さんが「思い出を砂嵐まで運ぶ舟」(秋鹿町)を、それぞれ選んだ。締め切りから1時間足らずで入選作の披講まで生中継した。

 配信終了後も、動画共有サイト「ユーチューブ」に投稿しており、過去のライブ句会の様子を楽しめる。

 ネット句会を立ち上げた森山さんは「(生活の悲哀や高齢社会を詠んだ)サラリーマン川柳とシルバー川柳ばかり注目されがちだが、詩的、文学的な味わいのある作品があるのも知ってもらいたい」と話す。

 海外からや若い世代の投稿も目立ち、真島さんは「運営に関わるようになり、川柳の新たな魅力に気付くことができた。外出先からでも無料で参加できる手軽さや、入選が発表されるまでのどきどき、わくわく感をアピールしていきたい」と、中高生ら若い世代の参加に期待する。

 作品は「毎週web句会」のウェブサイトで受け付けている。

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