風薫る5月。夕方、佐賀市の県総合運動場周辺を走ってみた。ここは1周1・5キロほどのジョギングコースがある。高校総体が近いからか、グラウンドに陸上部やサッカー部の生徒たちの弾む声が響き、耳に心地よい◆〈人生が100年となり大慌て〉とサラリーマン川柳に。そう焦っているわけでもないが、「ちょっと走ってみようかな」という気になったのは、趣味のない生活が何だか味気ないと思い始めたからだ。人生の3分の2を過ぎ、残された時間を少しは充実したものにしないと損かもしれない◆「令和時代の勝ち組老後と負け組老後」「睡眠と運動で認知症に勝つ」―。最近の週刊誌はシニア世代をせき立てるような見出しがいっぱいだ。病気、年金、墓、家。どうしますか、老後は大丈夫ですか。そんなふうに問いかけてくる。これから考えようと思っていたのだが。それでは遅いですか…◆一方でこんな言葉もある。〈人間は年を取るものだと終始考えていることほど人間を老けさせるものはない〉(ドイツの物理学者リヒテンベルク)。年齢を意識し過ぎるのは、老いに拍車をかけるようなものだということだろう◆気負っているようで何となく気恥ずかしいジョギング。それでも新緑の鮮やかさ、風に吹かれるさわやかさを感じる。忘れていたすがすがしさがそこにあった。(丸)

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