藤井洋恵さん(佐賀県障がい者スポーツ協会 指導員)

 -来年は東京パラリンピック、2023年には全国障害者スポーツ大会(全障スポ)が佐賀県で開かれる。県内の障害者スポーツの現状はどうか。

 障害者が日常的にスポーツを楽しめる環境をつくろうと、協会は障害者スポーツ教室を開催しており5年目に入った。初年度の15年度は延べ約800人の参加だったが、18年度は約2千人と飛躍的に増加している。佐賀市天祐の勤労身体障害者教養文化体育館に限って開催していたのを、県内各市町へ出向くようになったのが大きい。

 教室の開催などを通して感じるのは、障害者スポーツに対する認知度が低いということ。県内で取り組む人のいない競技もあり、そういった競技の周知に努めていかなければならない。障害者スポーツへの一般の理解もまだまだ。国体の後に同一県で全障スポが開かれているのを知らない人も少なくない。各地で障害者スポーツフェスタを開催するなどして、一般の認知を高める活動もしている。

 -協会は普及とともに競技力向上も担っている。

 4年前から障害者アスリート強化指定制度を設け、全国大会入賞を目標に頑張っている選手たちを支援している。県内指導者や県トレーナー協会の尽力もあり、車いすテニスの大谷桃子選手ら日本代表に選ばれる選手も出てきた。東京パラリンピックにも県関係選手の出場が期待できる。ぜひ県民の皆さんも応援してほしい。

 -全障スポ佐賀大会まで4年半を切った。県選手団の規模はどうなりそうか。

 各県の出場者数は人口によって振り分けられ、佐賀県は例年、20人程度だった。ただ、地元開催となる佐賀大会は全種目に3人まで出場が可能になる。これまでの開催県の参加人数を見ると、個人競技が140人前後、団体競技が150人前後で、佐賀大会の県選手団も同じくらいの規模になると思われる。

 全障スポはもともと障害者の社会参加の促進を目指して始まった。アスリート化が進んでいる面が確かにあるが、大会の意義は変わっていない。参加標準記録などはなく、極端に言えば競技を始めたばかりの人でも出場のチャンスはある。

 -佐賀大会へ向け選手育成は進んでいるのか。

 団体競技は全競技への出場が目標。県スポーツ課と連携し、競技団体の協力のもと、体験教室を開くなどしてチームづくりを進めている。特別支援学校や施設からの参加者も増え、九州ブロック予選に参加するなど、形になってきた種目もある。個人競技については、現在の障害者スポーツ教室での普及を継続しながら、今後、選手発掘事業につなげていく。

 ただ、佐賀大会がゴールではない。障害者スポーツに親しむようになった人たちが大会後も競技を楽しみ、活動を発展させていくような仕組みをつくっていくことが必要と感じている。

■ ふじい・ひろえ 福岡県出身。東京女子体育大卒。福岡市障害者スポーツセンターで指導員を約10年間務め、2015年7月から現職。日本身体障害者水泳連盟技術委員。趣味は登山。佐賀市。

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