配達サービスを始めた納所里づくり委員会の田渕厚会長(右)と石丸隆司事務局長。集落支援員の柴田實さん(左)が軽自動車で地区を回る=多久市の納所交流センター

 多久市東多久町納所地区の住民でつくる任意団体「納所(のうそ)里づくり委員会」(田渕厚会長)は、高齢などで買い物が困難な人に食料品や日用品を届けるサービスを始めた。地元で唯一の小売店を営むNPO法人、集落支援員と協力して週2回、地区内を巡回する。高齢者の見守りも行い、異常を見つけた場合は民生委員などに連絡して迅速な対応につなげる。

 納所地区で集落支援員として活動する柴田實さん(63)が、注文を受けた商品を自宅や最寄りの公民館まで車で運ぶ。廃校跡の納所交流センターにある小売店「びわの郷(さと)」で扱う商品に加え、弁当や総菜も市内の仕出し店などから調達して届ける。

 利用料は、宅配が1回400円、公民館への配達が同300円。介護保険の要支援以上と認定された人、障害者手帳の所持者はそれぞれ100円安く利用できる。初回は入会金300円が別途必要で、配達日の3日前までに希望の商品を注文する。

 配達時に利用者の異常を見つけた場合は民生委員のほか、届け出のあった近親者に連絡する。運営費は利用料に加え、地元産品の販売などで得た委員会の収益を充てる。柴田さんの人件費は、集落支援員制度に基づき国から交付されるが、新たに移動距離に応じて手数料を支払う。

 納所地区(全10行政区)の人口は952人。65歳以上の割合を示す高齢化率は35・7%(いずれも13日現在)で、70%を超える行政区もある。運転免許を返納するなどして、タクシーで最寄りの小城市のスーパーまで買い物に出掛ける人も増えているという。

 びわの郷は、住民の買い物対策として委員会が誘致したが、売り上げ増が課題になっている。田渕会長(68)は「今後も困難はたくさんあるだろうが、一つずつ乗り越えていかないと、地域は成り立たなくなる。10年後、20年後を見据え、地域で支え合う仕組みをつくりたい」と話す。

 申し込み、問い合わせはびわの郷(毎週火~土曜の午後1時~同5時)、電話0952(76)2234。

  

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