討議で、人権教育などの在り方を報告する佐賀大学の松下一世教授(右端)ら=大分県別府市のビーコンプラザ

 「人権社会確立第39回全九州研究集会」は最終日の15日、大分県別府市で分科会を開いた。「人権政策の確立の現状と課題」と題したパネルディスカッションでは、研究者らの討議を通じて部落差別などをなくすための行政の施策や教育の在り方を考えた。

 人権教育を専門とする松下一世佐賀大学教育学部教授は、学校で同和教育をきちんと教えられていないと答える学生が増えている状況を示し、「知識がないとインターネット上のフェイクニュースや偏見をうのみにする恐れがある。メディアリテラシーも含めた教育が重要」と強調した。

 部落問題を含めた人権教育の教材を教員らとのネットワークを通じて開発していることも報告し、「『思いやりが大事』の教育で終わらせるのではなく、法や制度の問題として理解できるようにする必要がある」と述べた。

 福岡県人権施策推進懇話会の稲積謙次郎会長は、部落差別解消推進法での行政が果たす役割などを解説。「地域の実情に応じて施策を実施しないと推進法は『絵に描いた餅』になってしまう。人権を軸とした地方の知恵比べが求められる」と指摘した。

 研究集会は部落解放同盟九州地方協議会などでつくる実行委員会が主催し、14日から2日間の日程で行われた。

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