佐賀県内で2018年に発生した熱中症による労働災害認定者数は前年の1・6倍となる112人で、過去最多となった。佐賀市の平均気温が8月には30・1度、7月は29・3度とともに過去10年間で最も高くなるなどしたことが要因。佐賀労働局は、熱中症予防対策の徹底を図ろうと、緊急時の連絡体制の整備などを重点項目にキャンペーンを始めた。

 佐賀労働局によると業種別では建設の44人が最も多く、次いで製造が23人。そのほか商業8人、運輸交通5人、その他32人だった。

 発生場所は屋外65人、屋内47人で、屋内外問わず発生している。月別では7月が最多の66人で、8月が40人で7、8月で全体の95%を占める。発生時間帯は午後2時台が18人で最も多く、午前10時台が17人、午後3時台が16人で続いた。

 年代別では20代の30人が最も多く、30代と40代が21人。10代~60代すべての年代で発生していた。「大雨の影響による作業場の片付け作業を行っている時に、目まいや吐き気、腹痛などの体調不良を感じた」(60代・建設業)、「工場内で木材カット作業中、体調不良で社員控室に戻り休憩していたが、意識を失い横たわっているところを発見された」(40代・製造業)などの事例があった。

 県内で06年7月を最後に、熱中症による労災死亡者は出ていないが、全国では09年からの10年間で220人が亡くなっている。

 福岡管区気象台が発表した九州北部地方の今年6~8月の3カ月の平均気温予報は「ほぼ平年並みの見込み」となっている。佐賀労働局は、暑さ指数計を準備し、その暑さに応じ余裕を持った作業計画を立てることや、体調不良時に搬送する病院や緊急時の対応を確認し、社員に知らせるなど具体的な取り組みを呼び掛けている。

 佐賀労働局健康安全課の担当者は「命を守ることが最も大事。少しでも異変を感じたら、病院を受診する、周囲の人に救急車を呼んでもらうなどしてほしい」と話す。

このエントリーをはてなブックマークに追加