Aちゃんのお母さんから「来年6年生になるのですけど、子宮頸(けい)がんワクチンはどうしたらよいのでしょう」と質問されました。「自分の娘なら必ず接種させます」と私は答えました」

HPVワクチンは定期接種(無料)ですが厚労省は積極的な勧奨を中止しています。定期接種を開始した後、ワクチンの副作用を疑う報告が相次いだため勧奨を一時中止したのです。副作用問題はその後の調査・研究で解決したと私は考えますが、裁判となりまだ決着がついていないのでそのままになっています。したがって、適応年齢になっても市町村から連絡は来ません。Aちゃんのお母さんのような保護者は少なく、うっかりすると適切な接種の時期を逃してしまいます。

現在、日本の接種率は1%未満に低迷していて、世界の国々のなかで特異な状況です。世界保健機構(WHO)は将来の子宮頸がんの発症を高率に予防できる極めて有用性の高い安全なワクチンとして認証し、世界80カ国以上の国が公的な扶助を設定して思春期の女児に接種をしています。

このワクチンはHPVの感染を予防し、将来の子宮頸がんの発症を防ぐがんワクチンです。HPVはきわめてありふれたウイルスであり、性的交渉で感染をします。感染をしてもほとんどの場合は無症状で、ウイルスも排除できますが、感染者の一部はウイルスが排除できず子宮頚部の上皮細胞に持続感染をします。持続感染をするとその影響で細胞が性格を変え、前がん状態→がんへと10~20年程度かけて進行する可能性があります。日本では毎年約1万人が子宮頸がんを発症し、2500~2900人の女性が死亡しています。比較的若い女性に多いのが特徴です。持続感染してしまうとワクチンでウイルスを排除することはできないので、感染前にワクチンを接種する必要があります。

小学6年~高校1年の女の子をお持ちの保護者の方々に、このワクチンについて正確な情報をぜひ知ってもらい、ワクチン接種を考えていただきたいと思っています。

 

参考になるサイト

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/VIS_21Human%20papilloma.pdf

http://www.jpeds.or.jp/uploads/files/20160418_HPV.pdf 

(いずれも日本小児科学会のホームページからアクセスできます)

http://www.jsog.or.jp/uploads/files/jsogpolicy/HPV_Q%26A.pdf

(日本産科婦人科学会のホームページからアクセスできます)

 

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