総文祭や夏の大会に向け、「作詞した人の思いを伝えられるよう表現したい」と意気込む佐賀西高3年の野中杏さん=佐賀市の同校

 放課後の教室。佐賀西高3年の野中杏さん(17)=佐賀市=は合唱部の仲間と円になり、指をならしながら、生き生きとした表情で息の合った歌声を響かせていた。部のムードメーカーで、さが総文では実行委員長として運営を引っ張る。

 「一人じゃないから頑張れる。みんなで歌の雰囲気をつくるのが楽しい」と合唱の魅力を語る。

 幼い頃から、家族の前やカラオケで歌うことが好きで、中学、高校と迷わず合唱部に入った。表現力を身に付けたいと、憧れのミュージカル女優・新妻聖子さんの歌声に耳を澄まし、その息遣いや発音の仕方を研究している。「まねをするうちに、だんだんと応用にもつなげていけるはず」と、楽しみながら努力を続けている。

 佐賀西高の部員は他校と比べると少なめで、現在6人。部員が30人以上いた中学時代と違い、「少人数で圧倒的に声量も少なくて。プレッシャーも感じた」という。昨夏の大会では声量が足りない分、音取りや曲の解釈など、より丁寧に曲と向き合ったという。

 選んだのはドイツ語の曲。初めて見聞きする言葉で、発音も訳もゼロからのスタートだった。ネットを使ったり、ドイツ語に詳しい先生に聞いたりして解釈を詰めていった。大会前は6時間もの練習を集中的にこなし、「休み時間にも小声で歌ったりした」と野中さん。32人以下の部に出場したチームで最少の14人で臨み、金賞に輝いた。

 「ここに大地がある 古の人が土を焼き 深い祈りを託した」…。さが総文では、合唱指揮者の清水雅彦さんが作詞を担当し、佐賀の土地柄や暮らしを思わせる歌詞がちりばめられている「誓う 女声合唱とピアノのために」を披露する。野中さんは「歌には作詞した人の思いが詰まってる。その思いを伝えられるように表現して、昨年の自分たちを超えたい」と気持ちを新たにしている。

 【メモ】合唱部門は8月1日、鳥栖市民文化会館で開かれる。順位は付けず、約40団体が出場。人数制限がないため、例年100人規模の団体も登場する。佐賀県からは8校約100人による合同合唱団が伸びやかな歌声を披露する。

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