南口清二「ひかりのモンタージュ」(P200号)

 セピア色の微妙な色合いの画面に、厳しい顔つきの僧侶のような男性と、物憂げな女性の姿があいまいに浮かび上がる。時空が異なる世界に生きる2人を、何かをかぎつけたような表情の犬が結びつけている。

 複数の場面を断片的に組み合わせる「モンタージュ」の手法を用いており、新たな世界を生み出した。

 「いろんな要素、多様な状態を一つにまとめた。都市に住む人たちは、ばらばらのようでいて、どこかでつながっている。それでいながら、独り、個が保たれている」

 南口清二さんは1947年、大阪生まれ。東京芸大油絵科卒。都市空間における群像をモチーフに「人間の存在」を描き続けており、二紀展では「田村賞」や「宮本賞」「黒田賞」などを受賞。87~88年には文化庁派遣在外研修員としてイタリアに留学した。二紀会事務局長。東京都。

 

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