新年度が始まり瞬く間にひと月が過ぎ、仕事が忙しくて検診に行く時間がない、と思われている方も多いかもしれませんが、病気の早期発見、早期治療のためには定期的な検診が必要です。生活習慣など努力してどんなに気をつけていても、癌になるリスクをゼロにすることはできません。明らかな遺伝性の疾患でなくても、親が癌だったら同じ癌になるということは珍しくありません。「検診を受けてその病気に注意しよう」ということは、親がいのちをかけて残してくれたメッセージなのです。

 検診を受けて、癌が見つかったら嫌だから、怖いから受けたくないという声もよく聞きます。どうせ死ぬのなら遅く見つかってポックリいったほうが、つらい治療もしなくてすむのでは、と思っている方もいます。でも、癌は進行して見つかっても決して楽ではありません。こんなに苦しいなら早く見つけて治療しておけばよかったと後悔されるかもしれません。

 癌の治療法も進んできていて、私が出会った患者さんにも癌サバイバーの方はたくさんいらっしゃいます。

 子宮体癌3期の患者さんで、とても仕事熱心な方がいらっしゃいました。術後追加の抗癌剤治療を受けるために入退院を繰り返していたのですが、「最短の入院期間でお願いします」といつも言われ、自宅に帰られると即、仕事(自営業)で、お孫さんの面倒もみてと常に前向きで明るい方でした。発病から20年以上になりますが、お元気で、奥様の心配をされていた御主人のほうが先に亡くなられました。運命は分からないものですね。

 私の同級生も卵巣癌の4期でしたが、術後つらい抗がん剤治療に耐え、厳格な食事療法を自ら行い、完治して11年目を迎えます。彼女の癌と闘う気力と姿勢には本当に頭が下がりますし、医師でありサバイバーである彼女を心から尊敬しています。

 癌は早期発見、早期治療です。もし、癌が見つかっても希望をもって乗り越え、サバイバーになりましょう。どんなに5年生存率が低くても10%しかなくても、その10%に入ればいいのですから!(伊万里市 内山産婦人科副院長、県産婦人科医会理事 内山倫子)

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