自主防災組織の在り方を語る福田忠利さん=佐賀市北川副町の北川副公民館

 2004(平成16)年6月27日早朝、佐賀市南部で竜巻が発生した。北川副町は被害がひどく、公民館近くで何軒もの屋根が吹き飛んだ。行政も前代未聞のことで初動が遅れ、災害対策本部ができたのは午後だった。

 こうしたタイムラグを住民でどうにかしなければならない。そんな思いから、09(平成21)年に北川副自主防災実践本部を立ち上げた。今では北川副30町区のうち21町区で自主防災組織ができた。残る9地区でも緊急連絡網をつくり、いざという時に備える態勢になっている。

 竜巻被害を風化させないように、6月27日と「全国防災の日」の9月1日に専門家を招いて研修会を開いている。普段の備えこそが大切と考え、東日本大震災が起きた3月11日には避難訓練にも取り組んでいる。

 ただ、専門家の話を聞くうちに自主防災組織の在り方について考えが変わってきた。災害対策本部ができる前にがれきを取り除くなど「共助」を考えていたが、(資機材やノウハウを持つ)自衛隊や消防隊に任せるべきと思うようになった。私たち住民は、むしろ避難所でのケアに専念した方がいいのではないかと。エコノミー症候群で亡くなる人を防ぐ対策など、できることはあるはずだ。

 阪神・淡路大震災に始まり、北海道地震、東日本大震災など、平成は災害が多い時代だった。ただ、佐賀市では災害の被害が昭和より軽減している。排水機場の設置、ダム建設などで水害被害は大規模化、長期化しなくなった。

 そうした状況の中、課題も見えてきた。行政は科学的なデータを基に避難勧告を出すが、市民は経験則で大丈夫と判断してしまっている。このままではいつか痛い目に遭うのではないか。双方のギャップを埋める必要があると思う。

 また、雨の降り方が変わってきたのも気になる。「想定外」「数十年に1度」といわれるゲリラ豪雨が毎年のように発生している。河川氾濫や堤防決壊のような事態が起きないと言えない時代になってきている。

 それでは私たちに何ができるか。町の排水機能の維持、向上に努めたい。高齢化による担い手不足はあるが、春と秋の河川清掃にしっかり取り組んでいく。小さな河川やクリーク、側溝のごみも取り除きたい。行政だけに任せず、住民一人一人が防災意識を持って動けるか。新時代はそれが鍵を握る。

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