多文化社会コーディネーター・北御門織絵さん

 4月から、改正された出入国管理および難民認定法(改正入管難民法)が施行された。長く多文化共生事業に携わった立場から言えば、以前から「外国人住民」は存在していた訳だが、改正入管難民法により、確実に外国人が地域や職場で増えていくことになる。

 2015年度の「佐賀県における多文化共生に関する調査」で、県民の多くが「国際交流・多文化共生に興味はあるが、外国人住民とのふれあいなどに参加していない」との結果が出た。多くの人が、外国人の交流が外国語(特に英語)に通じていないと交流できないと思い込んでいる。

 要因として、外国人との交流が少なく、地域で暮らす外国人に関心が薄かったり、習慣の違いから、「日本人とは違う行動をするのでは」との誤解が生じていると考えられる。そんな状況を改めようと、県内では地域で取り組む日本語教室の発足が相次いでいる。

 地域ボランティアで設立された日本語教室は、語学の活動だけでなく、言語・文化的差異により生活上の問題を抱えた外国人参加者の相談の場にもなっている。その相談の解決に向け行政機関への橋渡しを行うなど、行政と一緒になって共生社会づくり行なっている地域も増えてきた。

 「生活者」として地域に暮らす外国人住民は、私たちと同じように災害や事故に遭い、病気にもなる。家を買えば固定資産税を払うし、40歳を迎えれば介護保険料も支払わなくてはいけない。そのため、行政機関では、外国人に関係のない部署はないはずだ。

 子育て世代の外国人の親は、自国と日本のシステムが異なるため、子どもの予防接種や検診、教育や学校生活、進学の場面で不安を感じるケースが少なくない。行政は外国人が、地域で生活している状況を意識し、「国際担当」だけが関係があるという認識ではなく、あらゆる担当課が関係するものだと覚悟しなければならない。

 毎年、佐賀に「定住」する外国人が増加している。外国人住民の「困った」を解決していくことは、県民の「困った」を解決していくことと同じと考えなければいけない。今後は、地域の外国人を「支援しなくてはいけない人」との視点だけで取り組むのではなく、外国人も地域の担い手であるとの理解を深めることで、より豊かな佐賀県づくりを目指すべきだ。

     

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