さが総文の100日前イベントで歌を披露する生徒たち=4月14日、佐賀市のゆめタウン佐賀

 第43回全国高校総合文化祭(2019さが総文)の開幕が近づいてきた。会期は7月27日から8月1日までの6日間。演劇、合唱、書道など文化系部活動に情熱を注いでいる生徒約2万人が佐賀に集まり、日ごろの研さんの成果を発表する。令和になって最初の総文祭が、参加者の胸に最高の思い出として刻まれるように、県全体で盛り上げを図りたい。

 「47年に1度の機会に高校生でいられて、新たな歴史の一歩を刻めるなんて奇跡としか言いようがない」-。さが総文に向け、佐賀清和高2、3年の時に初代の生徒実行委員長を務めた吉村安莉さんが、本番に臨む後輩たちに送った熱いエールである。

 「高校文化部のインターハイ」と呼ばれる総文祭は全国を巡回しており、佐賀で開かれるのは初めて。観客や関係者を含めると、10万人規模の来県が見込まれ、高校生が主役の催事としては2007年の全国高校総体「青春佐賀総体」以来の一大イベントとなる。ふるさと佐賀の魅力を全国に発信する好機ともなる。

 今回、実施されるのは23部門。将棋や演劇などは順位や賞が決まる競技・コンクール形式で行われ、美術・工芸や合唱などは順位をつけない発表形式で実施される。ただ、いずれも都道府県の選考などを経ており、各分野で全国トップクラスの実力や実績を誇る高校生たちの“競演”となる。例えば、演劇部がある高校は全国約2100校に及ぶが、さが総文では、地区大会、都道府県大会などを経てブロック大会を突破した12校だけが舞台に立つ。

 さが総文の成功を目指し、県や生徒実行委員会は数年前から佐賀ならではの魅力づくり、PR活動に力を入れてきた。一つの特徴は県内全域への会場設置である。県庁所在地などに会場を集中させるところもあるが、今回は佐賀市だけでなく、鳥栖市が演劇と合唱、多久市が弁論、鹿島市が囲碁といった具合に分けている。昨年秋にそれぞれの会場でプレ大会を開くなど、本番に向けて着々と準備を進めてきた。

 2007年の佐賀総体では、事前の選手育成や強化が奏功して県勢が好成績を残し、さらに運営面でも一人一人の高校生がてきぱきと携わり、「都市圏ではできない」と県外の関係者に言わしめるほど評価が高かった。

 高校時代は文化、スポーツの部活動に限らず、興味関心のある分野に真っすぐに情熱を燃やすことができる、かけがえのない時間であろう。仲間と切磋琢磨(せっさたくま)したことは一生の財産となり、その後の進路や生き方にも大きな影響を与える。さが総文が高校生だけでなく、小中学生にも大きな刺激を与える素晴らしい祭典となることを期待したい。(杉原孝幸)

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