地元産ウバユリ粉を使った干菓子「ゆり湯」。昔ながらの原料を復活させた=佐賀市内

数量限定で製造する干菓子「ゆり湯」

 佐賀市富士町周辺に自生するウバユリを100%使用した干菓子が“復活”した。地元で林業を営むグループが中心となり、高度経済成長期前まで盛んだったユリ根の採取加工に取り組んだ。ネットによる資金調達「クラウドファンディング(CF)」で加工費用などを募っており、出資者への返礼品として生産していく。

 ウバユリは富士や三瀬に自生している。地元では古くから、風邪や食欲不振のとき、ユリ根を加工した粉を湯に溶かして飲む民間療法が根付いている。砂糖を入れて固めたゆり菓子は、古湯温泉の銘菓として知られるが、ユリ粉は手間暇がかかるため、デンプンで代用されるようになった。

 市婦人林業研究会(古賀萬喜子会長)が2016年から、まちづくりNPO「Murark(ムラーク)」(豆田守正理事長)と研究した。年配者に聞き取り、初夏に収穫すれば粉が多く取れることを突き止めた。

 加工は全て手作業で、すりおろしたユリ根を水にさらして漉こす。こうした作業を3日以上繰り返し、根25キロから粉5キロを精製することに成功した。ゆり菓子は「ゆり湯」と名付け、量が少ないため一般流通ではなく、CFの返礼品として120点限定で製造する。上質な砂糖「和三盆」を使い高級菓子として仕上げる。5月末まで4千円~3万円の出資を募っている。

 ムラークの担当者、門脇恵さんは「口当たりが良く上品な甘さの極上スイーツになった。年5キロは作れるようウバユリ栽培も検討しており、山村美化、観光資源につなげたい」と抱負を語る。古賀会長は「ウバユリを味わう文化は全国に例がないと聞く。平成でなくなろうとしていた独自の風習を(令和に)残していければ」と力強く語った。

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