「自分の考えを伝えることで、いろいろな人の意見が生まれる」と弁論の魅力を語る宮原里於さん=佐賀市の佐賀清和高

 「あなたが優しく差し伸べたその手は、怖いものかもしれません」-。佐賀清和高3年の宮原里於さん(17)は、障害者や他国のことを理解せずに広がる偏見の怖さを自身の弁論に込めた。「考えているだけじゃ伝わらない」と表現力を磨き、初出場でさが総文への切符をつかんだ。

 弁論との出合いは中学2年の時。本が好きで文章を書くのも嫌いではなく、初めて主張大会に出場した。人前に出る度胸がつき、考えたことを人に伝える魅力も感じたという。

 昨年夏、クラスで弁論大会への参加募集があり、手を上げた。頭に浮かんだのは、韓国に行った時、日本人である自分が周りから色眼鏡で見られているように感じたこと。ただ、それは自身が持つ韓国へのイメージや偏見によるものだと気づいた。

 気づくことで、これまで無関心だった日韓関係のニュースなど今まで通り過ぎていたことも目に入るようになり、「イメージにとらわれることなく、冷静に物事を見られるようになった」と話す。

 今回、壇上から伝えたいのは、無関心による差別、偏見が人を傷つけるということ。「無意識に誰かを傷つける言葉遣いになっていないか」と原稿を書く時も気を付けたという。「でも、私の弁論をうのみにするのも違う。聞いた上で、自分の考えを持ってほしい」と力を込める。

 中学生の時に始めた剣道に打ち込む傍ら、弁論にも真正面から取り組む。部活動の合間などに原稿を添削してもらい、十数回書き直した。「ここまで頑張ってきたので、(さが総文は)楽しみの方が大きい。緊張を跳ね返して頑張りたい」と平常心で臨むつもりだ。

 将来は教育に関わる仕事をしたいという目標もある。「自分が感じたことを子どもたちに伝えたい。知らないことを知るきっかけになれば」と思っている。

メモ 弁論部門は7月28、29の両日、多久市中央公民館で開く。各都道府県から選抜された約70人の高校生弁士が登壇。テーマは自由で、それぞれ7分間の持ち時間で、自身の体験談などを交えながら聴衆に思いを届ける。

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