明治から生きる志岐鐵雄さん(左)と孫の善隆さん=神埼市神埼町鶴のグループホームきぼう

 佐賀県内の男性最高齢となる神埼市の志岐鐵雄さん(109)は、明治43(1910)年生まれ。令和に改元となり、五つの時代を生きることになる。志岐さんは「長生きさせてもらって、ありがたいばかり」と何度も感謝の言葉を口にした。

 志岐さんは、祖父も父も90代まで生きた「長生きの家系だった」。米農家の跡取りで、戦地に赴くことはなかったという。還暦を過ぎて米作りから引退すると、菊づくりや一人旅、詩吟と趣味にいそしんだ。四国の八十八カ所霊場巡りには、80歳を超えても一人で旅に出ていた。

 韓国併合の年に生まれ、大正と昭和で二つの世界大戦が起き、閉そく感漂う社会の空気を吸ってきた。終戦直後の耐乏生活、そして経済成長期を経て、バブル景気、そして平成へ。激動の時代を生き抜いた志岐さんは「どの時代も同じ」と淡々と語る。世の中の動きへの関心はあるが、「友達が先立ってしまったことが1番寂しい」と繰り返す。

 新しい出会いもあった。「孫たちが『じーちゃんじーちゃん』と言って慕ってくれる」。現在、孫が11人、ひ孫は14人と、志岐さんの生きた証は受け継がれていく。

 4、5年前に右の大たい骨を骨折し、手術した。以前ほど好きに動けなくなったが、つえなどを支えにしながら家では自分で歩き、週に6度デイサービスにも通う。「長生きがしたい」と志岐さん。できる限り時代の行く末を見つめ続けるつもりだ。

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