「サラリーマン」と題した曲がある。作詞はロック歌手の忌野(いまわの)清志郎さん。清志郎さんは58歳で亡くなり今年没後10年。きのう2日は命日だった。奇抜な風貌で知られたが、曲は心に響く◆〈サラリーマンのドラマ 君と見てはいけないのかい ちっぽけな 目立たない夢が ずっとずっと続く〉〈サラリーマンは毎朝 君の声に送られ 今では慣れた満員の電車 揺られ揺られ 運ばれるこのドラマ〉◆平凡な日常、大事な人との暮らし。そんなことを大切にする気持ちが伝わる。だからだろうか、清志郎さんは3歳の時に死別した母の遺品から、レイテ島で戦死した夫を思う気持ちを知って反戦や社会への批判をメッセージとして託した。曲は戦争への憎しみの裏返しだった◆その清志郎さんにこんなエッセーがある。〈地震の後には戦争がやってくる。軍隊を持ちたい政治家がTVででかい事を言い始めてる〉〈憲法第9条は…戦争を放棄して世界の平和のためにがんばるって言ってるんだぜ…戦争はやめよう。平和に生きよう〉(光進社『瀕死の双六問屋』)◆「令和」の幕開けは列島が「平和」の大合唱となった。しかし、お祭り騒ぎの裏に憲法改正論議がある。イコール戦争ではないものの、不安は漂う。きょうは「憲法記念日」。新時代の国の根本となる憲法を考える機会にしたい。(丸)

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