舞台「夕焼けこやけを抱きしめて」で役を演じる中山摩都さん=佐賀市の佐賀東高

 演劇部の強豪として全国にその名をとどろかせる佐賀東高。昨年、1年生にして主演の座を射止めた中山摩都(まと)さんは、宝塚歌劇団にあこがれる16歳だ。演劇部で表現力を磨き、夢の舞台に立つことを目指している。

 小学2年から地元のミュージカル教室で学び、中学3年から本格的にバレエを習い始めた。宝塚を志すようになったのは中学2年のとき。佐賀出身で小中学校の先輩でもある元宝塚宙組トップスター、朝夏まなとさんの舞台を見てからだ。

 役者陣の流麗な演技、のびのびと歌い踊るきらびやかなレビュー…。「直感的に同じ舞台に立ちたいという思いが胸に込み上げた」と中山さん。「宝塚の舞台でお客さんに夢と感動を与えたい。その夢を朝夏さんがくれた」と目を輝かせる。

 宝塚に入るには、宝塚音楽学校を卒業する必要があるが、その入学試験は毎年約千人が40人の枠を競う狭き門となる。中学卒業時に受けた時は1次試験をクリアできなかった。自己紹介をしてにっこり笑う約30秒の試験で、毎回600人程度がふるい落とされる。

 佐賀東高の演劇部に入ったのは、表現力を身につけるためだ。感情を表に出すことが苦手だったが、佐賀東高の舞台を見て「ここなら変われるかも」と希望を持った。

 部員たちは湧き上がる激しい感情を乗せた舞台で観客の心を揺さぶる。演劇部で年間30公演をこなすうちに、中山さんには変化が芽生えつつある。今年3月の宝塚音楽学校の試験では1次試験を通過。2次試験で涙をのんだが、チャンスはあと2回ある。

 大舞台への夢と熱意を持って入部してきた中山さんを、部員たちも応援している。

 共に舞台を作り、さまざまな学びを得る演劇部は「私のホーム」と中山さん。「いつでも私を温かく迎えてくれる、家族みたいな存在。安心して帰るところがあるから、夢を追うことができる」と前を見据える。


メモ 演劇部門の大会は7月27日から29日まで、鳥栖市民文化会館で開かれる。全国約2100校のうち地区大会、都道府県大会を経てブロック大会を勝ち抜いた12校が出場。佐賀東高は27日午後5時10分から上演する。上位4校は8月24、25の両日、東京・国立劇場の舞台に立つ。最優秀校の作品は後日、NHKで全編放映される。鑑賞は事前申し込みが必要で、6月1日から受け付け開始予定。

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