「好きな字を夢中で書いていると気持ちが落ち着く」と話す空閑絢香さん=佐賀市の佐賀商高

「好きな字を夢中で書いていると気持ちが落ち着く」と話す空閑絢香さん=佐賀市の佐賀商業高

 「自分の好きな字を夢中で書いていると、不思議と気持ちが落ち着く」。さが総文の書道部門に出品する佐賀商業高3年の空閑絢香さん(18)=みやき町=は、これまでの経験を踏まえ、書道の魅力についてこう語る。

 空閑さんは県代表5人のうちの一人。出品するのは中国の書家呉昌碩(ごしょうせき)の作品の臨書。勢いのある筆致が特徴だが、「字のバランスや、筆を回転させながら書くところが難しい」と試行錯誤しながら制作に励んでいる。

 5歳の頃、友達と一緒に近所の習字教室に通い始めた。初めは硬筆を習っていたが、小学1年生になり、毛筆でひらがなを書くように。徐々に筆で字を書く楽しさや魅力に気づいた。

 中学3年の時、初めて行書を学んだ時は、字と字をつなげて書く難しさに直面した。それでも、書の奥深さに触れ、かえって練習に励むようになったという。

 高校では体験入部で見た雰囲気に引かれ、書道部に入ることを決めた。書に打ち込めることに胸を高鳴らせたが、部活で目にした光景は習字教室とは全く違うものだった。

 習字では椅子に座って半紙に書いていたが、書道部では床に敷いた半切(はんせつ)など大きな紙に向かう。「体全体を使って書くので、体の動かし方が難しい」。戸惑いもあったが、先輩の書き方を参考にしたり、顧問の先生に相談したりしながら徐々に慣れていった。

 行書のほか、行書と草書を組み合わせた「行草」など新たな分野にも挑戦を続けている。書の歴史にも触れ、「いろんな字体があり、好きな字の骨格を探している」と話す。

 書道部門の副実行委員長も務める。佐賀は「明治の書聖」と呼ばれた書家中林梧竹のふるさとでもある。本大会に向けて「全国から訪れる高校生に佐賀の歴史の奥深さも感じてほしい」と力を込める。

 

メモ 7月27~31日の5日間、唐津市文化体育館に全国から選抜された300点の書道作品を展示する。漢字、仮名、漢字仮名交じり、篆刻(てんこく)、刻字の作品で、審査により入賞作61点を決める。佐賀県内からは、昨年の県高校総合文化祭で推薦を受けた生徒5人が出品する。企画展では、江戸時代に佐賀藩士が武士の心得を説いた「葉隠」の言葉をつづった作品30点を展示する予定。

このエントリーをはてなブックマークに追加