70年ぶりに改正された漁業法などについて説明する水産庁の担当者ら=佐賀市の県有明海漁協

 養殖業への新規参入を促すなど、約70年ぶりに抜本的に見直された水産改革に関し、水産庁の説明会が佐賀市の県有明海漁協で開かれた。焦点の漁業権を巡り、水産庁の担当者は「漁場を適切、有効に活用している場合は、優先して既存の漁業者に権利が与えられる」と説明した。有明海のノリ漁などは今後も従来と変わりなく漁業権が維持されるとした。

 水産改革関連法は昨年12月に成立した。公布後、2年以内に施行される。地元の漁協や漁業者へ優先的に漁業権を割り当てる漁業法の規定が廃止され、養殖業分野などで企業の新規参入を認めることになった。

 説明会は漁協の地区代表や職員ら約60人が参加した。水産庁の近久浩典水産経営課指導室長らは、水産改革は水産資源の有効活用と保護・管理が狙いとした上で、「漁業権は多くの人が漁業をしたかった戦後直後に制定されたが、今では漁業者が減少している」と見直しに至る時代背景を説いた。「適切に活用されている漁場は問題ないが、もし漁場の利用が途絶えた場合など漁業権を新設できるようにした」と述べた。

 会合では、企業などの新規参入に規制を求める意見も出た。これに対し水産庁側は「許可は、地域の水産業の発展に寄与すると認められた場合だけ」と強調した上で、漁業者や漁協の意見を十分に聞いて反映させると理解を求めた。諫早湾干拓事業の開門訴訟に絡み、「海況悪化で漁業ができなくなった場合、どうなるのか」との質問もあった。水産庁は「司法判断には言及しない」として回答を避けた。

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