佐賀県鳥栖市立中学校で2012年、当時1年の男子生徒がいじめで重度の心的外傷後ストレス障害(PTSD)となり学校に通えなくなったとして、元生徒ら家族4人が市などに損害賠償を求めた訴訟の口頭弁論が26日、佐賀地裁(達野ゆき裁判長)であった。元学校関係者や元生徒の主治医の証人尋問があり、いじめを巡る認識の違いが浮き彫りとなった。

 元生徒の担任だった女性教諭は「騒がしかったが、明るいいいクラスと思っていた。(元生徒が)笑顔でいたのが印象に残っている」と当時を振り返った。元生徒について「今も苦しんでいるのは本当に申し訳ないと思う」と話した。

 元教頭は、いじめ発覚後の加害生徒への聞き取りと元生徒の母親の主張の食い違いに戸惑ったと強調。いじめを巡り、13年3月に市の教育長が「犯罪行為に等しい」と発言したことに対し「そこまで思っていたとは言えない」と自身の認識との違いを示唆した。

 主治医の精神科医は「自殺衝動があり、回復の見通しは立っていない。今まで生きてきたことが不思議」と元生徒の症状を説明。元生徒がいじめを受けながら笑っていた可能性について「諦めの気持ちや無力感の表れとしてあり得る」と述べた。

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