南里嘉十の「色絵桜樹武士図耳付花瓶」を寄贈した子孫の南里裕美子さん

 優れた技術を持っていた有田焼の窯焼き「南里嘉十」の花瓶が、英国から里帰りした。美しい細工の取っ手が付いたジャポニスムの作品で、子孫の南里裕美子さん(56)=佐世保市=が有田町に寄贈。27日から常設展示をリニューアルする有田陶磁美術館に展示される。

 南里嘉十は幕府や佐賀藩の御用を務めた窯焼きで、米フィラデルフィア美術館には1876(明治9)年のフィラデルフィア万博出品作と推測される花瓶が収蔵されている。明治半ば過ぎに南里平一が有田町長を務めた後、窯焼きとしての歴史は途絶えたという。

 作品は高さ92センチの「色絵桜樹武士図耳付花瓶」。有田焼の里帰りを手掛ける蒲地孝典さん(70)=有田町=が探し出した。口縁部が波状でラスター彩を施した取っ手が付き、ヤマザクラや武士、黒馬が描かれている。和洋の絵の具が使われ、蒲地さんによると「万博出品と同時期ごろの作品ではないか」という。

 先祖供養の思いを込め寄贈した南里さんは「フィラデルフィア美術館の作品と形こそ似ているが、全く違う印象で驚かされた」という。有田陶磁美術館で少なくとも1年間の展示が決まっている。

 

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