長崎の蘭方医楢林栄哲が弟子にあてた「西洋医術図巻」=佐賀市の佐賀城本丸歴史館

長崎へ渡来したオランダ船が搭載していた大砲を描いた図巻「舶来大砲図」=佐賀市の佐賀城本丸歴史館

 佐賀市の佐賀城本丸歴史館が、明治維新期に佐賀藩が取り組んだ軍事科学分野の研究や、医学に関する図巻など5点を展示する館蔵品展を開いている。個人からの寄託もある。図巻は色付きで鮮やかに描かれ、見応えがある。

 「舶来大砲図」は、1843(天保14)年と翌年に長崎へやってきたオランダ船が搭載していた大砲を細かに描いている。同館の玄関にも展示している「モルチール砲」の図もある。

 「大砲鋳造絵巻」は江戸時代末期から明治時代に描かれた大砲の製造過程の絵巻。小田原で青銅製のカノン砲と和式砲を作った過程が描かれている。金属を溶かして鋳型に流し込み、完成して鋳型から取り出したところまで一連の様子が見られ、鋳物師らの作業風景が臨場感を持って伝わってくる。

 医学については、長崎の蘭方医楢林栄哲が弟子の有澤紹越にあてた図巻「西洋医術図巻」を展示する。2巻で1つとなっており、人をモデルとして外科の手術法を描き、器具や包帯の巻き方などを紹介している。

 ほかに、24ポンド青銅製カノン・鉄製カノン砲などの図が書かれた「遠西武器図略」も展示している。

 同館学芸員の増田研亮さん(37)は「これまで展示できていなかった箇所も見ることができる。逸品シリーズは、今後も続けていきたい」と話す。

 ▼「佐賀城本丸歴史館の逸品vol.1『舶来大砲図と江戸の科学図巻』」は5月19日まで、佐賀市の佐賀城本丸歴史館で。問い合わせは同館、電話0952(41)7550。

このエントリーをはてなブックマークに追加