佐賀東高の舞台「君がはじめて泣いた日も、世界は普通の顔をした。」(2018年11月に鳥栖市文化会館で撮影、提供)

 今回の「行くぜ!さが総文」は、7月27日~8月1日に佐賀県内で開催される第43回全国高校総合文化祭(2019さが総文)の演劇部門を紹介する。さらに生徒実行委員会による企画「羽ばたけ! 未来の担い『手』プロジェクト」に密着。県内20市町でものづくりなどを担っている人たちへの取材活動に同行した。

 

 1年間に15作品30公演をこなす佐賀東高演劇部は、直近の11年間で県大会を10回突破し、全国大会に2度進出している。公演本数、実力ともに全国トップクラスで、「泣ける舞台」として注目を集める中、さが総文では高校生の妊娠・中絶を扱った作品を上演する。

 「君がはじめて泣いた日も、世界は普通の顔をした。」(いやどみ☆こ~せいさん、佐賀東高演劇部創作)は、高校生が命の誕生に悩み、葛藤しながら現実に立ち向かう姿を描く。顧問の彌冨公成教諭は「命をどう考えるのか、共感より考えてもらう舞台」と語る。

 佐賀東高の特徴は、観客の胸に響くほとばしるような情熱だ。3年の江島穂乃香部長(18)は「感情が表情に表れ、せりふが出る」と話し、脚本と登場人物の思いを理解して共有することに力を入れる。

 演出や気持ちの動きを部員同士で話し合うことに重点を置く。1本60分程度の作品のせりふを覚えるのにかける日数は1~2日という。照明や音響などの裏方スタッフも一歩離れた第三者の目線で意見を述べる。

 「大人からタブーとされている問題も、高校生はちゃんと考えている」と江島部長。「その思いを伝えたい」と、さが総文の本番に向けて意気込んでいる。

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