東京・恵比寿でハチの大群が現れ、騒動になった。新しい女王バチが誕生し、その母親で、もとの女王バチが群れの半数を連れて引っ越す「分蜂ぶんぽう」という現象だそうだ。人の世界では娘が出て行くが、ハチの世界は逆。子孫を残すための習性である◆気温が上がり、虫が活発に動き出すシーズンを迎えた。この虫たちが人口増加や温暖化で予想される世界的な食糧難を救うと注目されている。京都市のベンチャー企業が開発して話題になった「コオロギバー」は、コオロギの粉末を50匹分使ったクラッカー状の食べ物。熊本市では食用昆虫の自動販売機も登場した◆日本は古来、イナゴやハチの子が食されてきたから驚く話ではないが、『楽しい昆虫料理』(内山昭一著)なる本を見つけた時は面食らった。「オオスズメバチの串焼き」「トノサマバッタの天ぷら」などの料理が並ぶ◆同書によると、90カ国で約1400種の昆虫が食べられている。タンパク質、ビタミン、ミネラル、アミノ酸が豊富。生ごみなどの廃棄物を餌として活用できる。「昆虫食」は国連食糧農業機関(FAO)も推奨しているのだ◆ハチたちも「食用」と言われては腹立たしかろうが、将来、昆虫牧場ができ、手軽な栄養源となる日が来るかもしれない。それにしても思い知るのは人の食へのあくなき好奇心である。(丸)

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