取材で使うカメラを手にする池田紘菜子さん=有田町の有田工業高

 「有田の不思議を全国の高校生に伝えたい」。有田工業高定時制3年の池田紘菜子さん(17)は目を輝かせ、7月のさが総文を心待ちにする。有田の不思議に驚く高校生の顔を想像しては顔がほころぶ。

 乾燥中の焼き物を載せて走行するトラック、家には焼き物を出し入れする出入り口。稲荷神社が多いのは「焼成中に割れませんように」と祈るためだと聞いた。「町全体が工房みたい。有田の人が焼き物とともに生きてきた歴史を体感してほしい」と語る。

 親の仕事の都合で、九州内で15回ほど引っ越した。多くの町に住んで感じるのは「私はまだ何も知らない」ということだ。住む町が変わるたび、新しいことを知る。「みんなにとって当たり前でも、私にとっては不思議がいっぱい」と、さまざまな町を見てきたからこそ気付くこともある。

 夜は学校、昼は有田焼が充実したカフェで働き、焼き物の面白さを知った。デザイン科ながら焼き物関連の授業を多く選び、絵付けや検品など焼き物に関わる仕事に就くことを模索している。

 新しい知識を得ることに貪欲で、人と関わることや文章を練ることも好きな池田さん。「新聞部の活動で苦になることがない」と笑う。年に4回発行する新聞「有工夜報(ヤッホー)」の128号は、昨年度の県高校新聞コンクールで最優秀賞に輝いた。県高校定時制通信制体育大会を特集し、働きながら学ぶ定時制の生徒の一日を円グラフで視覚的に見せて紹介し、高い評価を得た。

 転居で多くの別れを経験し、自然と線を引いて友達と付き合うようになった。小中学校は転校続きだったので「4年も同じ学校で同じ人たちと過ごすのは初めて。卒業式は泣いてしまうかも」と少し困ったように笑う。遠く離れても、SNSでつながり続ける友達もいる。高校時代を過ごしたこの町や仲間とも、つながっていける気がしている。

 

 7月28日から8月1日まで、全国の新聞部員約450人が佐賀を取材して新聞を作る。唐津や鳥栖など?コースに分かれて歴史や文化を取材する様子は、SNSで全国に発信される。

 展示会場は佐賀市のメートプラザ佐賀で、各都道府県から上位3校の新聞が並ぶ。佐賀からは昨年の第20回県高校新聞コンクールで上位入賞した有田工業高定時制、弘学館高、白石高が出場する。

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