Q 国民の「知る権利」と民主主義は、どのように関係するのですか?

 A 我が国の憲法21条は「表現の自由」を保障しています。表現の自由は精神的自由の中心の一つとして人間の根源的な要求であり、人間として発展するのに重要な鍵を握っています。さらに、憲法は、国民主権のもと民主主義を掲げています。民主主義が花開くには、選挙のときのみならず普段から、国民の自由な意見表明と議論が必要であり、表現の自由の保障が不可欠です。ところが、政治的意見を表明しようにも、政治・社会に関する情報が誤っていたり隠されていたりして十分に国民に伝わっていないのでは、国民の意見はゆがんでしまいます。わが国ではここ数年の間に政府による情報隠蔽(ぺい)・公文書改ざん・統計改ざんなどさまざまな問題や疑惑が起こっており、国民の判断の前提が揺らいでいることが危惧されます。

 憲法21条の「表現の自由」は、「知る権利」を含むと解釈されています。知る権利は、民主主義を実質化するにはなくてはならないものなのです。

 国民の「知る権利」及び民主主義にとって、膨大な情報の中から必要な情報を広範囲の人々に伝えるマスコミの役割は重要です。また、マスコミが政府などから独立かつ自由に取材し報道することが大切です。マスコミが政府に都合の良い情報しか報道しなければ民主主義は死んでしまうでしょう。

 佐賀県弁護士会では、そのような問題意識のもと、市民向け憲法講演会「民主主義とメディアの役割-国民の知る権利を守るために」を開催します。日時は5月11日午後2時~4時半、場所は佐賀県弁護士会館(佐賀市中の小路7の19 電話0952・24・3411)です。予約不要、参加費無料。講師は相澤冬樹氏(大阪日日新聞記者)です。相澤氏は長年NHK記者として第一線で活躍され、森友学園問題では重大スクープの取材をしました。ところが、その成果を出す際に上司から圧力を受けついには記者職から外される経験をしたとのことです。マスコミが民主主義、知る権利を守る上で果たす役割、報道の自由を守る意味、情報・マスコミに対する国民市民の対応の仕方など幅広くお話しいただきます。ぜひ、多数の方に足を運んでいただければ幸いです。(弁護士・東島浩幸 佐賀市)

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