人材育成の要諦は、まず褒めること。兵庫県多可町には今年、「一日ひと褒め条例」ができた。「住民同士がいいところを認め合えば、町に活気が生まれる」と議会が提案したそうだ◆統一地方選が終わった。こんなステキな議会になるよう期待を込めて、当選した方々にまず、ひと褒め。「地域を思う一念が通じましたね」「日頃の住民との交流が実を結びましたね」◆残念ながら志及ばなかった方々にも。「おかげで活発な論戦になりましたよ」「あなたの問題提起は住民の胸に響いたはずです」…心から再起を祈念して◆褒めた後できちんと耳の痛い話もしないと人は育たない。「地方議会は学芸会」。そう批判して叱られた、と元鳥取県知事の片山善博さんが雑誌に書いていた。「一生懸命やっている子どもたちに失礼だ」と◆議場をのぞくと、簡単な事実関係や統計数値をまじめくさって質問し、執行部が仰々しく答弁している。〈あらかじめ作成されている台本にあるセリフを淡々と読み合う光景からは、およそ真剣さも熱気も覇気も感じられない〉◆なり手不足に低投票率と、地方議会の危機は深刻。女性の躍進や高齢での出馬など、今回の統一選の話題は、議会の「至らなさ」に対する“苦言”のようにも思える。「住民本位の議会に育って」―4年後、今度は結果で褒めますから。(桑)

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