4年に1度の統一地方選挙が終わった。佐賀県で行われた県議選、大町町長選、3市議選、3町議選では無投票が増え、投票率低下に歯止めがかからなかった。これまで最も悪かった数値がいくつも更新された。地方議員のなり手不足、さらに政治への関心の低下という従来の課題が顕著に表れた。

 県議選は13選挙区のうち多久市など7選挙区で無投票になった。無投票選挙区数は過去最多で、立候補者数はこれまでで最も少なかった。投票率は46・12%で、4回連続で過去最低を更新し、初めて50%を割り込んだ。

 後半戦の首長選、議員選では、大町町長選が8年ぶり、多久市議選が2期連続で無投票になった。県内の市議選で2期連続の無投票は初めて。多久市は2017年の市長選も無投票で、市民は市政に関する選挙で3回連続で投票できなかった。他の市議選、町議選はいずれも投票率が前回を下回り、過去最低の更新も目立った。

 昨年12月の知事選の投票率が過去最低の35・26%だったことを含め、深刻な状況と受け止めるべきだろう。

 こうした状況は全国も変わらない。今回の統一選の41道府県議選の無投票率(総定数に占める無投票当選者の割合)は過去最高の26・9%に上った。市長選は31・4%、町村長選は45・5%が無投票になった。町村議選の無投票率は過去最高の23・3%に達し、8町村議選は定数割れした。

 日本の地方自治は住民が首長と議員を選ぶ二元代表制で成り立っている。代表を選ぶ機会を奪う無投票は、有権者から政治を遠ざけてしまう。政治への関心回復が急務だ。

 全国では既にさまざまな取り組みがある。夜や休日に議会を開くのもその一つで、議員と別の仕事の兼業が容易になり、傍聴にも行きやすくなる。定例議会の会期を1年にし、必要に応じて開く通年議会もある。

 長野県飯綱町は、住民と議員が論議を重ねて政策提言をまとめる「政策サポーター制度」と、議員活動に意見する「モニター制度」を設けている。政治に関わることが立候補につながるようで、議員15人のうち、制度を経験して議員になった人は5人。注目すべき制度だ。

 議員のなり手不足から村議会に代わる「村総会」の設置を検討して話題になった高知県大川村は、地方自治法が大枠で禁じる自治体から仕事を請け負う団体の役員らにも議員への門戸を開いた。請け負いが主要業務でないことなどを要件に兼業を認める条例を制定。今回の村議選には兼業を認められた1人が立候補し、定数6を7人が争う8年ぶりの選挙になった。

 選挙は終わったが、新たになった議会は、有権者の政治離れを深刻に受け止め、関心と期待を高める方策を議論してほしい。本会議に一問一答方式や首長の反問権を取り入れる議会基本条例の制定や、若い世代や女性の意見を取り入れる工夫、定数や報酬の再考があってもいい。議会や議員を改めて考えるきっかけになる。

 議会だけでなく、社会も主権者教育の充実で若者の政治意識を高め、投票を容易にするインターネット投票導入を真剣に考える時だろう。有権者は議会や自分が選んだ議員の活動を注視し、議会の活性化につなげたい。

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