竹筒を割り、炊きあがったご飯を取り出す学生たち=多久市の南部小南渓分校跡

 佐賀県多久市南多久町の南部小南渓分校跡で19日、菓子職人などを目指す福岡市の専門学校生が、調理の体験学習に臨んだ。廃校の活用に取り組む農家から素材の味を生かした調理法などを学び、交流を楽しんだ。

 訪れたのは福岡ビジョナリーアーツ専門学校に4月に入校した1年生約60人。生産者の努力を受け継ぎ、食材を商品にして消費者に届ける調理師の役割を学ぼうと、3年前から分校跡で実習を続けている。

 分校の卒業生で、観光客向けの体験農園を営む古閑勝己さん(73)が旅行代理店を通じて学生を受け入れた。今回は農園のイタリア産野菜などを使ってスープとピザを炭火で作り、竹筒でご飯を炊いた。学生たちは普段とは勝手が違う調理に戸惑いながらも積極的に挑戦。おので竹を割り、ふっくらと炊けたご飯を取り分けて味わった。

 古閑さんは市内の製陶会社で働いた後、2006年に農園を立ち上げた。08年に分校が閉校してからは農園のノウハウを生かして、思い出深い木造の校舎で体験学習を展開。「やってみせる、させてみる」の方針で、住民と協力して大学生の合宿も受け入れている。

 「使うのが一番のメンテナンス。校舎が生き返る」と古閑さん。パティシエを目指す熊本県出身の清水優花さん(18)は「便利な道具がなくても、考えて工夫することで味わい深い料理ができると感じた」と話した。

 

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