統一地方選の後半戦は21日に投開票日を迎える。佐賀県内は無投票で当選が決まった杵島郡大町町長選と多久市議選を除く、2市3町の議員選挙で審判が下る。投票率が5割を切って46・12%だった県議選より、住民に身近な市や町の議員選挙ながら、なり手不足を主因とした無投票の市町もあって全体の関心が高まらず、投票率の下落が懸念される。それでも、住んでいる地域の今後4年のありようを決める選挙であり、あなたの1票が未来につながる。投票所で政治への思いを投じてほしい。

 2市3町は伊万里市議選(定数21)、鹿島市議選(同16)、三養基郡基山町議選(同13)、杵島郡江北町議選(同10)、大町町議選(同8)。地方は若年層の流出、高齢化や人口減少が進み、より深刻さを抱える。どのような展望を描くか、候補者たちの訴えは熱を帯びている。

 18日現在で市議選の期日前投票は伊万里市が7・85%、鹿島市が9・37%で、いずれも4年前の前回と比べて2ポイント超、伸びている。県議選では、全体の投票率は前回と比べ4・8ポイント下がったが、期日前投票と不在者投票を合わせた投票率は13・65%で0・94ポイント上がり、ほぼ変わらぬ利用率を維持していた。期日前の制度は段階を経て条件緩和が進み、投票がしやすくなり、割合が高くなってきている。

 一方で、全体の投票率は年々低下している。以前は人口が多い都市部の問題とみられていたが、昨年12月の佐賀県知事選(投票率35・26%)でも顕著だったように、地方選挙で軒並み過去最低を記録する状況が続いている。候補者の顔ぶれ、構図の問題だけとは言えない。無所属新人4人が争った2015年の知事選や、今年2月の現職と新人の一騎打ちとなった鳥栖市長選も同じで、激戦となっても投票率が低下した。

 要因には政治、行政への関心が低いことや、国政をはじめとした政治不信も挙げられる。誰がなっても同じ、自分が1票を入れるかどうかで世の中は変わらないという無力感を持つ人も少なくないだろう。ただ、そういった有権者の意識だけでなく、規制が多い公職選挙法や投票の在り方も、低投票率の原因となっていないか。

 例えば、買収や利害誘導の温床になるとして、有権者の住宅を一軒一軒訪ねて投票を依頼する「戸別訪問」は禁じられている。もちろんカネが絡む違反行為は許されないが、候補者の政策、人柄を知る上では一対一の対話の機会が必要ではないか。規制によって候補者と有権者の間に距離をつくってしまってはいないだろうか。国会でぜひ、規制の妥当性や抜本的な見直しを論議してほしい。

 行政や選挙管理委員会だけでなく、住民側も投票率向上へ向けた努力をしている。江北町では告示前に候補予定者12人が一堂にそろう公開討論会が実施され、伊万里市では商店や飲食店の経営者らが投票した人に割引サービスを企画し、投票を促している。

 最近では、鳥栖市長選が10票差、県議選鳥栖市選挙区が7票差という僅差で明暗を分けた。議員選挙では1票差、同数のためくじ引きで決まる例もある。一人一人の1票は決して小さくない。1票が候補者の当落を、ひいては地域の方向性を左右する。

このエントリーをはてなブックマークに追加