九州高校野球佐賀大会で優勝した佐賀商の選手たち=みどりの森県営球場

 第144回九州地区高校野球大会は20日、鹿児島市の鴨池公園野球場などで開幕する。佐賀県勢は5季ぶり42度目となる佐賀商が出場。2回戦から登場し、21日午後0時半から同球場で筑陽学園(福岡)と対戦する。

 各県の上位校(鹿児島4、福岡3、他県各1)に、全国選抜大会出場の明豊(大分)など推薦5校を加えた18校で九州の頂点を争う。

 

佐賀商 

 堅守で失点を抑えて頂点まで駆け上がり、5季ぶりの出場をつかんだ。守備からリズムをつくる展開に持ち込み、上位進出を目指す。

 打線は、県大会5試合で1試合平均10.8安打を放ち、32得点を挙げた。チーム打率は3割2分9厘で、中軸は打率4割を超える3番副島を中心に長打力を兼ね備える打者が並び、好機を着実にものにできるようになった。

 投手陣は5人がベンチ入りする。4試合に登板した2年の野田は140キロ台の直球に切れのある変化球を織り交ぜ、県大会では14回を投げて1失点。下手投げの白仁田や神埼清明との準決勝で完封した脇山も控え、けがから復帰した古賀涼の存在も心強い。

 野手陣は昨夏の甲子園大会を経験した選手が多く、二遊間の中島、済木を中心に手堅く守り、県大会では3失策。九州大会でも軽快な動きで投手陣をもり立てたい。

 初戦の2回戦で、全国選抜大会8強の筑陽学園(福岡)と対戦する。森田剛史監督は「県大会同様、ミスのない守りで接戦に持ち込みたい」と話す。

  • 部長 平野  諒
    監督 森田 剛史
     投 野田  匠 2 多久東部 172 65
     捕 古川淳之介 3 成 章  167 61
     一 藤川 壱誠 3 小 城  181 75
     二 中島 優仁 3 江 北  174 70
     三 副島 優斗 2 成 章  167 66
     遊◎済木 龍輝 3 江 北  174 68
     左 古賀  颯 3 中 原  174 77
     中 小栁  翼 3 成 章  174 70
     右 松隈  亮 3 東脊振  174 70
       本村 朋輝 3 鍋 島  170 65
       古賀 涼平 3 三日月  171 62
       高木  来 3 諸 富  176 77
       山下 祐弥 2 大町ひじり173 59
       神近 周飛 3 塩 田  160 58
       池田 宇希 2 牛 津  166 55
       金森 優輝 3 基 山  168 63
       白仁田慶太 3 塩 田  181 73
       脇山  枢 2 川 副  179 65
       安富 雅人 2 城 東  174 58
       原  翔哉 2 芦 刈  167 69

(左から名前、学年、出身中、身長、体重。◎は主将)

県大会の成績

2回戦 16-0 唐津南(六回コールド)
3回戦 3-2 早稲田佐賀(延長十二回)
準々決勝 4-3 鳥栖
準決勝 2-0 神埼清明
決勝 7-1 佐賀学園

筑陽学園(福岡)=佐賀商が初戦(21日)で対戦  

 初出場の選抜大会では8強入りと健闘した。右腕の西、西舘、左腕の菅井と特長の異なる3投手をそろえ、2回戦では強力打線を誇る山梨学院を継投で2点に抑えた。打線は打率5割の進藤のほか、要所で適時打が出た福岡も勝負強い。甲子園で打率が1割に届かなかった2年生の1番・中村の復調が、得点力向上の鍵となる。

西日本短大付(福岡)

 福岡県大会の準々決勝では昨秋の県大会を制した九州国際大付を破った。身長185センチの今村、180センチの神宮、恵まれた体格を誇る2人を軸に打線はパワーがある。

 背番号10の本格派右腕江崎は1―0で競り勝った準決勝で博多工を5安打無四球で完封。投打にバランスの良さが光る。

真颯館(福岡)

 76季ぶりの出場。柳川、自由ケ丘の両校を甲子園出場に導いた名将、末次監督が率いる。福岡県大会決勝は西日本短大付に3―7で敗れたが、得点力は高い。エースで4番の武内は福岡大大濠との準決勝で先制の適時打を記録したうえ、140キロ台の直球を軸に1失点で完投。松尾堅も準決勝、決勝でともに3安打を放ち、振れている。

福岡大大濠

 県大会は3位に終わったが、3位決定戦は10安打10得点で五回コールドゲーム勝ち。打線は深浦、星子、溝田の中軸に長打力があり、6番に座った杉村も3位決定戦は三塁打、二塁打を放って、3打点をマークした。投手陣は身長186センチの2年生右腕山下、1年生春から公式戦に出場する速球が持ち味の3年生星野らが中心となる。

長崎商

 主力は昨夏からベンチ入りしており経験豊富。石川、岸本の1、2番が積極的な打撃でチームを波に乗せる。3番以降は長打力がある打者が並び、どこからでも点が取れる。不動のエース桝屋は低めへの投球が信条。冬場の下半身強化で直球の威力とキレが増した。勝ち上がり、昨秋の九州大会で大敗した明豊(大分)にリベンジを誓う。

球磨工(熊本)

 エース右腕の田山は最速138キロだが制球力に優れ、縦のカーブを中心とした多彩な変化球で空振りを誘う。県大会決勝は有明を相手にわずか3安打、無四球完封で8三振を奪い、1―0の接戦を制して初優勝に導いた。センターラインを軸に安定した守備も光る。犠打や小技を絡めて得点機を広げられるかが鍵を握る。

熊本西

 2季連続2度目の出場。エースで主将の霜上が投打の主軸で、精神的支柱だ。切れのある直球と緩い変化球に加え、完投を苦にしないスタミナを武器にする。打線に長打力はないが、単打を重ね、機動力を生かして得点を狙う。21世紀枠で出場した選抜大会は強豪の智弁和歌山に2―13で敗れたが、先制点を奪い8安打を放った。

明豊(大分)

 4強入りした選抜大会は投手陣の活躍が目立った。準々決勝では故障から復帰した寺迫、2年生エース左腕の若杉、長身右腕の大畑の継投で延長十一回を無失点。元々定評のある打線は強打者がそろう。1回戦では全国屈指の好左腕及川を擁する横浜から12安打13得点を挙げた。準々決勝では控えだった後藤がサヨナラ打と、層も厚い。

大分

 今春の選抜大会で春夏通じて甲子園初勝利を挙げた。エース長尾は1回戦で1失点完投。スピードはないが抜群の制球力で打ち取る。打撃陣は1回戦で10安打、敗れた2回戦も7安打を記録した。2回戦で無安打に終わった4番中尾が本領発揮なるか。昨秋の九州大会は長尾が3試合全てを完投しているだけに、援護は不可欠だ。

大分工

 28季ぶり5度目の出場。県大会の決勝は0―2の八回に7点を奪って逆転し、打線のつながりの良さを示した。1番和田、3番今宮が好調で振りの鋭さが目立つ。一方、決勝だけで4失策を記録するなど、守備面で課題を残す。エースで3年生の日高や2年生左腕の田中ら投手陣がいかに失点を抑えられるかが、勝敗を分けそうだ。

日章学園(宮崎)

 堅守を武器に昨秋の九州大会は4強入り。ところが初出場の選抜大会は6失策のミスが響き、習志野(千葉)に初戦で敗れた。タイプの異なる寺原、石嶋、小迫の3投手を擁し継投でペースをつかむ。打線は、長打力のある中軸の森永や平野に走者を置いてつなげられるかが鍵。俊足の選手が多く、機動力を生かして先制点を奪いたい。

小林西(宮崎)

 攻守にそつのない試合運びで県大会を41季ぶりに制し、2季連続の出場を決めた。エース鶴田は粘り強さがある。昨秋は強豪の筑陽学園(福岡)にサヨナラ負けしたものの八回まで無失点だった。2年生右腕の大城は、緩急を織り交ぜて県大会準決勝を完封勝ち。中軸を打つ高橋を中心に、爆発力のある打線で上位進出を狙う。

神村学園(鹿児島)

 県大会を2季連続で制した。オーソドックスで穴がなく、守備からリズムをつくる。昨秋の九州大会は8強入りを果たした。投手陣は田中瞬、中川、桑原ら技巧派右腕が互いに切磋琢磨(せっさたくま)している。攻撃では1番森口が好機をつくり、井上幹、田中大ら主軸に回す。相手の隙をついて次の塁を狙う、積極的な走塁も強みの一つだ。

鹿児島実

 県大会の前評判は高くなかったが、はい上がった。準決勝は鹿児島商に8―0でコールドゲーム勝ちし、勝負強さを見せつけた。攻撃では4番吉木の打棒がポイントとなる。犠打やスクイズなど小技を得意としており、相手バッテリーにプレッシャーをかけて得点機を広げる。投手は左腕福留と、長身右腕、高田の2人が引っ張る陣容だ。

鹿児島商

 普通なら犠打の場面でも強行策をとる「打」のチーム。4番南之園を中心につながりがあり、下位打線からでも得点が期待できる。終盤の集中力の高さはナインに浸透している。投手陣は、握りを変えるなど試行錯誤で磨き上げたスライダーが武器の左腕東、技巧派の右腕東村が中心。2人の継投のタイミングが勝負の鍵を握る。

尚志館(鹿児島)

 12季ぶりの出場。打線は切れ目がないだけでなく、長打力のある選手が多い。エース福重は下級生の頃から登板機会に恵まれて精神面で成長し、ピンチを迎えても落ち着いて投げられるようになった。本塁打を重ねられる打棒でもチームを引っ張る。打線は1番の是枝が出塁し、勝負強さのある4番窪田に回す形に持ち込みたい。

興南(沖縄)

 県大会5試合で計4失点だった投手陣と堅守が武器だ。1年から甲子園のマウンドを踏むエース左腕宮城は、球速148キロを記録。決勝は6イニングで15三振を奪った。4試合で先発した左腕又吉も安定感がある。上位打線は昨夏の甲子園を経験した西里、根路銘、勝連らが並ぶ。犠打を積極的に活用し、得点に結びつけていく。

 

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