多久市議選の掲示板に候補者のポスターを貼る陣営関係者。定数を超える16番目以降の枠は空いたままだった=14日、多久市

 14日に告示された佐賀県多久市議選には定数と同じ15人が立候補し、佐賀県内の市議選で初めて2期連続の無投票になった。市民からは議員定数の見直しに加え、なり手不足を改善するため、仕事や育児と議員活動が両立できるような環境づくりを求める声が上がった。

 14日午後5時、選挙カーで支持を訴えた現職の樺島永二郎さん(50)は、初挑戦の前回に続き無投票で2期目の当選が決まった。選挙戦で抱負を伝えようと思っていたが、「1日だけでは時間が足りない。市民の期待に応えられているかどうかも(得票数で)確かめられなかった」と、もどかしさを口にした。

 人口が減少し、路線バスなど公共交通の維持も課題になっている。高齢者も暮らしやすいまちにしてくれる人を選びたいと考えていた原口由衣さん(19)は「誰がどんな考えなのか、よく分からないまま決まっちゃった」と残念がる。

 15年の市議選、17年の市長選、直近の県議選も無投票だった。市商工会の藤川範史会長(64)は「地域の振興には官民の協働が不可欠。その代表にふさわしい人を選挙で決められなかった」と表情を曇らせた。その上で、無投票を避けるため「定数をさらに減らす代わりに、人材を広く求めるために相応の報酬を考えていくべきでは」と、なり手が現れやすい環境づくりの必要性を指摘した。

 「議員の普段の活動が見えない」。工務店取締役の笹川俊一さん(36)はそう感じている。議会報告会や会員制交流サイト(SNS)などでの情報発信が進めば、議会の役割や在り方を一緒に考えるきっかけになると思っている。

 若い世代が議員を目指せるように「仕事や育児と両立ができる環境も整えてほしい」とも話し、議員活動との兼務がしやすくなる改革を願う。

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