人間国宝の認定を受け、「これからも精進したい」と語る井上萬二さん=平成7年4月、有田町

 文化財保護審議会は14日、重要無形文化財保持者(人間国宝)に、白磁の井上萬二さん=当時(66)、有田町=ら10人を認定するよう与謝野馨文相に答申した。県内では唐津焼の故中里無庵さん(1976年指定)、色鍋島の十三代今泉今右衛門さん(1989年指定、2001年死去)に次いで3人目となった。

 井上さんは1945年ごろ、十二代酒井田柿右衛門さん、初代奥川忠右衛門さんらに師事。白磁の技法を習得した。58年から県立有田窯業試験場に勤めながら、磁器の成形や釉薬の研究を重ね、伝統的な白磁制作技法を究めた。79年に「現代の名工」労働大臣表彰、87年に日本伝統工芸展で文部大臣賞を受賞した。

 名器には雑念がないという意味の「名陶無雑」を座右の銘とし、白磁の「加飾のない究極の美」を求め、ろくろ成形の第一人者として、不断の努力を続けてきた。井上さんは「柿右衛門さんと忠右衛門さんという二つの大きな目標が心の支えとなって精進してきた。同じように若い人や教え子たちの糧になれば幸い。今後も技術と感覚を磨きたい」と喜びを語った。

 今もなお意欲的な創作に取り組む井上さんは、89歳で迎えた今年1月の初窯出しで、出来栄えに納得の表情を浮かべた。(令和まであと17日)

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