九州新幹線長崎ルートの整備に伴う在来線の複線化区間短縮について報道陣の質問に答える副島良彦副知事=佐賀県庁

 「遺憾」や「拒否」といった強い言葉をあえて使わなかった。国土交通省が12日に認可した九州新幹線長崎ルートの建設中区間(武雄温泉-長崎)に関する計画変更。在来線の複線化区間を短縮する変更案を示した国側に、全線複線化を求める佐賀県は反発してきたが、結論を受けて副島良彦副知事は「国とは意見が平行線だった」と述べるにとどめた。リレー方式による暫定開業は約束通りに実現させるものの、未着工区間の整備方式見直し論議では徹底抗戦する狙いがある。

 県や国による2016年の「6者合意」は肥前山口-武雄温泉間を「(22年の暫定開業後)順次、全線複線化する」としたが、認可された計画変更では暫定開業に必要な一部区間に短縮された。副島氏は報道陣に「国交省も許認可権者として、いろいろな意見を踏まえた上で判断されたと思う」と、抑えた表現で見解を述べた。建設費の県負担分の予算化を見送るなどの対抗措置も取らないと明言した。

 一方、全線フル規格かミニ新幹線か整備方式の見直しが議論されている未着工区間(新鳥栖-武雄温泉)への影響に質問が及ぶと、副島氏は「(今回の認可とは)頭の中で切り分けて考えている」とし、「県が手を挙げていない区間で、特に意見はない」と強調した。在来線を複線化する必要性が低いフル規格に議論が傾くことを厳しくけん制した格好だ。

 県の関係者は「全線複線化の考え方は今後も主張していくが、許認可権限が国にある以上、ここで強く反発しても無益」と話す。主戦場となる未整備区間の整備方式については「佐賀県の権限の範囲できっちり対応する」として、全線フルかミニ新幹線の二者択一の議論には応じない姿勢を示した。

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