県警本部長から感謝状を受ける内科医の小野辰也さん=佐賀市の県警本部

 佐賀県警本部は9日、検案嘱託医として長年にわたって変死体などの検視業務に協力してきた武雄市の内科医小野辰也さん(73)に、感謝状を贈った。小野さんは「早く遺体を家族がいる温かい場所へ返したい思いだった」と自らの職責を振り返った。

 検案嘱託医は警察からの依頼を受け、死亡の認定などが業務になる。死因の究明は、警察が事件性の有無を判断する際の材料になるほか、感染症が死因だった場合では被害の拡大を防ぐなど重要な役割がある。

 小野さんは2005年から、検案嘱託医を務めている。武雄市で小野医院の院長を務める傍ら、夜間や休日でも依頼があれば、積極的に力を貸してきた。

 小野さんは「死因が自殺だったときは『なぜ死なないといけなかったのか』と思うこともあった。最近は高齢者の孤独死が増えたと感じる」と話した。検案業務については「いい気持ちばかりではないが、誰かがしないといけないこと」と役割の重要性を語った。

 検案嘱託医は現在、県内に52人。このうち小野さんが主に担当する武雄地区は4人で、地区内では05~18年までに292体の検案を実施した。

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