トロフィーを手にする高木監督(左)と主催者=米ロサンゼルスのラレースタジオ(提供)

「涙に浮かぶ記憶 戦争を次世代へ伝えて」のDVDのチラシ

 佐賀県唐津市出身で教育映画などを手掛ける高木裕己監督(69)=東京在住=が、米ロサンゼルスで開かれた独立系映画祭「ハリウッド国際インディペンデント・ドキュメンタリー映画祭」で年間奨励賞を受賞した。受賞作「涙に浮かぶ記憶 戦争を次世代へ伝えて」は、中学生の作文をベースに、高木監督が脚本に仕立てて映像化した。米国各地のドキュメンタリー映画祭で受賞が相次ぐなど高い評価を受けている。

 授賞式は3月23日、喜劇王チャップリンが使ったことでも知られるラレースタジオで開かれた。年間賞は事前のコンテストで月間賞に選ばれた約150作品の中から、グランプリをはじめ約15作品が受賞した。

 高木監督の作品は、福岡県の中学3年生・行德美那さんが書いた作文を原作にしている。修学旅行で被爆地・長崎県を訪れた中学生が、語り部の被爆者に「死に損ない」と暴言を吐いた事件を取り上げた作文で、全国中学生人権作文コンテストで法務大臣賞を受けている。

 映画化に当たり、高木監督は通信兵として大陸に渡って最前線で戦った行德さんの曽祖父・一生さん(昨年10月に100歳で死去)に取材したほか、元特攻隊員らにインタビューを重ねた。映画は証言と資料映像を組み合わせて構成している。

 挿入歌「死んだ男の残したものは」は、作詞が谷川俊太郎さん、作曲が武満徹さんで、今回、映画のために歌手の小室等さんが再録音した。映画は28分間のDVDにまとめられ、全国の学校などで上映されている。

 高木監督は「中学生の目を通して曽祖父の戦争体験を描いたことから、海外の人にも共感を得られやすかったようだ」と話す。

 「涙に浮かぶ記憶」は今回の受賞のほか、スポットライト・ドキュメンタリー映画賞・銀賞(米アトランタ)、アコレード映画祭・優秀賞(米サンディエゴ)、マインドフィールド映画祭・プラチナ賞(米アルバカーキ)の各賞に選ばれている。

 ▽「涙に浮かぶ記憶 戦争を次世代へ伝えて」のDVDは上映権付きで販売している。問い合わせは映学社、電話03(3359)9729。

 

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