結城康太朗さんの「Vibrate-40」

7人の抽象作家が個性を競う小品を集めたコーナー=佐賀市のギャラリー「シルクロ」

廣田政生さんの「在処-1」

北島治樹さんの「山里にて」

 独立美術協会を代表する抽象画家によるグループ展「七人力」が、佐賀市松原のギャラリー・シルクロで開かれている。佐賀市の北島治樹さん(69)をはじめ、第一線で活躍する作家が独創的な抽象表現に挑んでいる。グループ展は5年ほど前から東京・銀座のギャラリーで毎年10月に開いており、佐賀開催は初めてとなる。20日まで。

 グループは抽象画家が切磋琢磨(せっさたくま)する場として立ち上げ、北島さん、廣田政生さん(京都)、浜松繁雄さん(千葉)、大久保宏美さん(神奈川)、結城康太朗さん、五十里(いかり)雅子さん、浅見千鶴さん(東京)が所属している。いずれも独立会会員で、独自の抽象表現を確立して高い評価を受けている。

 今回の出品作は近作から選んでおり、1人当たり6点程度、合わせて50点を展示している。

 このうち、北島さんの「山里にて」(アクリル、F20号)は、山里の風景をモチーフに暖かな色調で抽象化した。風景を作家の感性を通じて普遍化し、独自の世界に再構成している。

 北島さんは「抽象画といっても頭の中だけで作り上げると、どうしても浅くなってしまう。イメージの源泉がはっきりした作品でなければ伝わってこない」と、モチーフの重要性を語る。

 きらきらした色彩が画面からほとばしる結城さんの作品「Vibrate-40」(油彩、F40号)は、見る角度によって表情が変わる。グラインダーで削ったり、傷をつけたアルミ板を支持体に、油絵の具で彩色している。

 結城さんは「微動しているのか、光のせいなのか、風なのか。感じ取った揺らぎを画面の中に持ち込みたい」とコメントを寄せた。

 社会的なメッセージを作品に込める廣田さんの「在処-1」(ミクストメディア、530ミリ×455ミリ)は、湧き上がるような黒い塊が画面を支配する。鴨長明の「方丈記」の一節「ゆく河のながれはたえずして、しかももとの水にあらず」の文字を添えており、無常観とともに見ている側の不安をかきたてる。

 7人の作家が、それぞれ0号サイズで創作したコーナーもあり、作家の個性とともに抽象表現の奥深さを楽しめる。

 「七人力(しちにんりき)佐賀展」は20日まで、佐賀市松原の「シルクロ」で。

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