イタリア映画の巨匠フェデリコ・フェリーニ監督の代表作に「道」がある。1954年の公開だが、人が生きる意味について静かに問いかける名作だ◆この世で何の役にも立たないと思う娘ジェルソミーナ。粗野な大道芸人ザンパノと出会うが、ザンパノもまた孤独だった。ジェルソミーナはザンパノにつらい扱いを受けるが、彼のそばにいてあげられるのは自分しかいないと一緒に旅をする。それが彼女の「道」だった◆この映画のテーマ曲を作曲したのが同じイタリアのニーノ・ロータ。10日は彼の没後40年にあたった。「道」「ロミオとジュリエット」「太陽がいっぱい」「ゴッドファーザー愛のテーマ」など多くの名曲を残した。音楽を聞くたびに映画の名シーンがよみがえる◆「道」は、フィギュアスケートの高橋大輔さんがバンクーバー五輪で銅メダルを獲得した時の演技で使っていた。トランペットの切ない旋律と道化の動きを取り入れた印象的なステップを記憶している人も多いかもしれない◆高橋さんは五輪後に引退したが、昨年復帰した。引退後に米国に留学し、すさんだ生活を送ったこともあったそうだが、自分を見詰め直す契機になったという。映画に「小さな石でも何かの役に立っている」というせりふがある。自分なりの道を探す旅が生きることなのかもしれない。(丸)

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