三弥子さんの写真パネルの前で、体験を語る大庭茂彌さん=佐賀市の県立総合看護学院

 犯罪被害者について理解を深めてもらおうと県は8日、佐賀市の県立総合看護学院で講座を開いた。飲酒運転事故で娘を亡くした大庭茂彌(しげみ)さん(71)=福岡県糸島市=が体験を話し、命の尊さを訴えた。

 20年前、大学生だった次女・三弥子さん(当時21)が運転する車に飲酒運転中の対向車が衝突、三弥子さんは乗り合わせた友人2人とともに亡くなった。ステージには三弥子さんの写真パネルや生前に履いていた靴を並べた。

 大庭さんは「(死後は)まだ、どこかにおるっちゃないかという意識もあった。数年間錯覚しているようだった」と当時の思いを振り返り、「今生きとること。当たり前のことやけど一番大切」と日常の尊さを訴えた。

 大庭さんは、飲酒運転の撲滅運動や各地の遺族の思いを紹介する「生命のメッセージ展」を開いており、「加害者をつくらない世の中をつくることが、遺族の宿命と思う」と力強く語った。

 学生約150人が聴講した。保健学科1年の桑本志穂さん(25)=佐賀市=は「話を聞き、以前履いていた靴を見ると、痛みがひしひしと伝わってきた。1人の命じゃない、と改めて思った」と話した。

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